ブラスト・サーンジュ
まぁ良いや。知能に関しては諦めるとして、スキルはどうしようかな。
「取り敢えず、これでも取ってみようかな」
僕は言いながら【分け身】というスキルを取得させた。取得に必要なSPは80だが、SLv.3まで上げたので合計で270SP消費したことになる。
まぁ、その名の通りこれは分身だ。自分の肉体の一部……体毛などを触媒に魔力を使って自分の分身を作り出すことが出来る。作り出せる分身の数だが、初期は三体で、スキルレベルが上がるごとに三体ずつ増えていく。つまり、SLv.3の分け身だと九体の分身を作り出せるということだ。
まぁ、分身が出せるとは言え、そのステータスは残念なものだ。具体的に言うと、ステータスの5%に分け身のスキルレベルをかけたものだ。SLv.3だと、元のステータスの15%を引き継げるということだ。
爆猿王のステータスの15%を持つ分身を九体も何となく強そうに聞こえるかも知れないが、HPで言うと50くらいしか無いので、殴られたら分身は一撃で消えるだろう。
「ただ、スキルは同じように使えるからね」
つまり、敵からしたら爆発を操る猿が合計十体も居るようのだ。その威力はステータスが低くても高いはずなので、軽い地獄だろう。
「後は……あ、そうだ。これも良いね」
言いながら、僕は100SPで転移魔術を取得させた。
「うんうん、分身とテレポートで即死級の攻撃を押し付けてくる猿……良いんじゃないかな」
後は190SPかぁ……うーん、どうしようかなぁ。
「重力魔術、かな」
100SPを消費して重力魔術を取得させる。これは、自分か自分の付近にいる敵に重力的負荷を掛けることが出来る。スキルレベルに比例して重圧を掛けられる範囲は広がっていくが、まぁ今は関係ない。
爆猿王の分身が使えるMPは60くらいだろうが、流石に一発くらいなら重力魔術を使えるはずだ。これで的確に爆発をお見舞い出来るかも知れない。
「さて、後90SPだけど……高速再生は腐らないよね」
取り敢えず、爆猿王は自己回復の手段に乏しいので、高速再生を取得させておく。これで外的なダメージは回復しやすいはずだ。
「あと、魔力も結構消費しそうだから……瞑想、かな」
分身に重力魔術、爆発魔術と結構なMP消費が予想されるので、瞑想を取得させた。これで、戦闘は分身に任せて爆猿王は瞑想でMPを回復なんてことも出来るだろう。
ただ、この猿が瞑想をしているところなんて想像できないので若干不安ではあるが。
「10SPだけ余ったけど……
「良し、これでスキル振りは終わりだよ」
「ウ、ウキィ」
僕がパンと手を叩いて言うと、爆猿王は実感が無さそうな表情をしながらも頷いた。
「ていうか、ギンキィ・クノムって、どっちが名前なの?」
何と呼ぼうか迷っていたので尋ねると、爆猿王は首を傾げた。
「ウキィ。ウキウキ! (クノムはオレら全員に付いてるからな!)」
オレら全員……? あぁ、全員共通の名字なんだね。じゃあ、ギンキィって呼ぶのが良いね。
「まぁ、取り敢えずここで待機しててね。用があったら呼ぶよ」
流石に群れを率いる長なので、好き勝手に連れ出して回ると良くないだろう。と言うわけで、次に呼ぶのはPK集団が襲ってくる時かな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます