入学と廃学
第1話 エピローグや説明回は、友人キャラにやらせとけば間違いない
今から400と少し前、世界は変わった。端的に言えば、魔法の存在が明らかになった。
詳しく言えば、大規模な魔女狩りによって、本物の魔女が現れ、魔女対人類の戦争が起きた。
魔女たちは、「魔法」を使い人類と渡り合った。絶対数が圧倒的に少ないのにも関わらず、対等に渡り合えた所以はそれだな。
まぁいくら魔法が使えるとはいえ、母数が違う。そりゃあ、魔女が勝てるわけないよなぁ?
そこで魔女が売ったのが、魔法についての情報だ。
実物を見てんだ、信じない訳には行かねぇよな。
衆人環視の元、魔法を使ってみせ、その存在を明らかにしたんだ。
ただまぁ、問題があった。
それが魔女が魔女足り得る理由。「魔法の素質」ってやつだ。
魔女達が使えるような魔法が、俺達には違うことが出来なかったんだ。
魔女は、恐ろしく高い魔法適性があり、それ以上に高い魔力親和性があった。だからこそ、魔力が何たるかを理解し、その使い方も直感的に理解することが出来たんだろうってのが、今んとこのお偉いさんの見解だな。
まぁ、魔女以外には魔法が使えないって言う
そこからは速かった。なんせ魔法だ。全人類の憧れと言ってもいい魔法がついに見つかったんだ。それを使えないなんて言われて、「はいそうですか」とはならねぇ。そりゃあ、研究も盛んになるってものだろう。
長い月日をかけ、膨大な資金を使った研究の末に『魔法』は『技術』となり、特殊な器具を用いることで、誰であろうと行使できる【魔術】を発明した。魔法とは違うもんだとはいえ、嬉しいよなァ、そりゃ。どの道空想上の力には変わりねぇしな。
でも、そうすると問題になるのは
魔法と聞いて、使いたくないと思わないやつはいないだろう?どれだけファンタジーに興味がなくとも、使ってみたいと思うのが人情だ。
だけど、魔法のノウハウが一切ない状態で、魔法を行使させる訳には行かねぇだろ?
だから、魔法を教える教育機関を作らねぇと、そうお偉いさんも考えたんだろうよ。
だが、そもそも魔法を教えることが出来る奴なんかいないだろ。見つかってまもない技術を、教えられる奴なんか……な。
問題の解決策を導き出せないまま、魔法を表に出すことを諦めかけた、お偉いさんたちだか……そこに救いの手が差し伸べられた。
はたして、俺たちを救ったのは魔女だった。魔女達は率先して俺たちに魔法の知識を与えてくれた。
不思議だよな?なんでそんなことをするのかって。
お偉いさんがたも気になったんだろうなぁ。遂に魔女に聞いたんだ。どうして魔法を教えてくれるのかと。
そうすると魔女はこう答えたらしい。
『魔法を使うということはそれだけ世界が危険になるということ。それを見逃す訳には行かない。魔法を半端な知識で使えば最悪世界が壊れてしまう。ちゃんとした知識を身につけ暴走しないようにしなければならない』とさ。
まぁ、後々の行動を鑑みるに、魔女の目的は他にもあったんだろうけどな……。
それはまぁ、置いておいて。
浮き足立って研究を続けていたところに、世界が壊れると来たもんだ、そりゃあお偉いさんがたもビビっちまったんだろう。積極的に話を聞いたらしい。
え?疑わなかったのかって?
そりゃおめぇ、最初は疑ったろうよ。
だけど、実際に世界が崩壊しかかっちまったら、信じる他ねぇだろう。
何があったかって?
そうだな、簡単に言やぁ魔法が暴走した。
まぁそれだけなら大した問題じゃなかった。それが、大きな問題になってしまった要因は、暴走した魔法にある。
なんせ、暴走したのは転移の魔法だ。元々、魔法の研究を始めたのはその利便性を追求するためだ。
転移なんて、モロそれだ。
だからこそ、研究は進められたし実際今はその恩恵に預かれてる。転移なんて便利なもん自由に使いたいって思って当然だ。
だが、魔法は、特に転移っつう魔法はそんな簡単にどうにかできるものじゃあなかった。
転移の研究をしていた研究所は、魔法の暴走と一緒に吹き飛び跡形もなく消し飛んだ。それだけだったらまだ良かったが、暴発の余波はそれにとどまらなかった。
俺らが住むこの【現界】と、魔物や魔人が住む【異界】を繋げちまったのさ。
今あるダンジョンなんかは、これが原因で発生したなんて言われてるな。
おっと、今はその話はいいか。
じゃ、話を戻すが、そりゃあもう、そんなことが起きれば、皆大慌てだ。戦闘能力なんてない一般人が魔法を扱う魔物に襲われるんだ。被害は甚大。収拾の目処もつかず世界は滅茶苦茶。
そうなることを予期していたんだろうな。魔女達の行動は迅速だった。被害にあっている人々を助け、魔法の余波を最小限に食い止め、異界への門を閉じた。
まぁ、閉じたっつっても一時的なもんで永久に閉じとくなんてことは出来なかったみたいだけどな。
それでも、そうした魔女の対処によって世界は救われた。そして、魔女は魔法の危険性について説き俺たちに正しい魔法の知識を伝え、それを後世に伝えることを契約させた。
ま、そんなこんながあって次代に魔法を伝える組織が出来上がった。それが魔法協会であり、俺らが通う、【オリージネ魔法学園】ってことだ。
わかったか?〖
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