ケアレ・スミスを愛してる!!!

ぐらにゅー島

第1話 なんだこの高校…。

高校生になったら、彼女が出来ると思ってました。

でも、そんなの二次元だけの話でした。


…そんな言葉を、ネットではよく見かける。

でも、俺は違う。。確実に、だ。


そう、例え入学式の日に事故って一ヶ月入院してても。

それで、高校デビュー全力で失敗してたとしても。


ただでさえ、名前負けしてる上に追い打ちかけてきてるが絶対彼女は出来る。

てか、彼女を作るためにこの学校に入ったんだ。おじいちゃんに言われてな!!






「ケアレ・スミスです。よろしくお願いします。」

黒板の前で、一ヶ月遅れで挨拶をする。教室のみんながパチパチと手を叩く…。いや、おかしくないか?


ケアレ・スミスだぞ!?

物心つく前から、名前を聞いた相手は大体苦笑いするか、「フッ」と鼻で笑ってくるかの二択だった。

なのに、なんでだ!なんでみんなスルーするんだ?いや、嬉しいけど!嬉しいけど奇妙なんだけど⁉︎


この高校は、偏差値の低い私立高校だ。

もしかして、みんな馬鹿だから変な名前なのに気づいてない…のか?


俺は5教科の女神に愛されている。

だから、本当はトップクラスの高校にも入れたんだ。しかし、家の事情…というかでこの高校に入った。

だから、勿論首席入学。

…ただ、教科別順位が全て二位なのが不思議なものだ。


「じゃ、スミスは窓側の一番後ろの席だから…。」

なんだか、疲れたように先生は言う。それにしても、窓側の一番後ろとか…。ラブコメ主人公かよ。これもおじいちゃんのせいか?






「ケアレ・スミスちゃんって、めっちゃ髪の毛綺麗だね!黒髪ポニーテールか

ー。いいねえー!」

休み時間になると、女の子が話しかけてきた。


「あ、あの」

「あ、ほらウチって茶髪じゃん?ロングにするまで伸ばすのも大変だし…。いいなぁ、かわいいなあ…。」


俺の髪をいじりながら話かけてくるが…。


「あーもー!スミスちゃんかわいすぎ!異性だったら好きになっちゃうよー!」

まるで、うさぎでも見つけたかのように可愛がられてるんだけど…。


「あのー、俺、男だけど?」

「へ?」


目を丸くしてしまう、茶髪女子。

いや、いくら俺が黒髪ポニーテールだったとしてもさ…。


「ケアレ・スミスとか、男の名前だろ?気づけよ…。」

「えええっ?そんな変な名前で気づけって言われても…?」


この学校に来て初めてそこにツッコまれたな。なんか逆に安心したわ。


「で?お前、誰だよ。」

「あ、ウチの名前?」


その女子は、ニヤッと笑うと胸を張ってこう答えた。


地歴子ウミン地歴公民だよ!!!」


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