荒崎さんはかたむける!~帰宅部陰キャの私がこじらせ陽キャのあの子とキスなんてするはずない~
水本エイ
プロローグ
唇が、触れた。
唇が…触れた…?
違う、違う。これは単なる物理現象であり、事故だ。事故だよ。
有り体に言ってしまえば、すごく柔らかかった…ではなくて、違う!これは、違う。
何がどう違うかは、上手く言えないけど…。少なくとも、私は女であり、七島も女だ。だから、そういうのじゃない。違う…!
七島から迫ってきたんだ。だから、私から進んで受け入れた訳では無い。決して。
私たちは大人になる。人生は長い。だから、いつかこの制服だって脱ぎ捨てる時が来る。
痛くて恥ずかしい。痛くて恥ずかしい。こんなことで動揺するなんて。
私たちは大人になる。人生は長い。だから、いつかこのことも笑い飛ばせるようになる。はず。
本当?
それにしたって、私たちにとって、今は永遠過ぎる。
永遠にこの日が続くと思ってしまう。今をそれだけ、私はまっすぐ信じている。
だからこそ、今はずっと痛くて恥ずかしい。
でも、少なくとも、これは違う。
私が、あの子とキスなんてするはずない。
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