第46話 ライバルのチョコ
美化が是露の家に来て、1時間半が経過していた。
「チョコ開けた瞬間ほんとにびっくりしたもんっ。なんで俺が宇宙が好きって知ってるの? って」
「ほんと、たまたまなんですよ。影山が最近できたチョコ専門店に行きたいってしつこく言うから一緒に買いに行ったんです。そしたら、そこのチョコが偶然、宇宙をテーマに作られていて。すごい可愛かったんで〜是露先生にも買ってあげようかな〜って!」
(ちょっぴり嘘つきな私……♡)
「……ありがたきしあわせ〜」
是露は胸に手を当てて頭を下げた。
「あはは……でもぉ、先生……私以外にも、もらってましたよね?」
「あっあ〜……宮古田さん……」
「どんなチョコだったんですかっ?」
(確認してやる! 宮古田カルチェっ!)
「んーとねぇ……カミーユ?」
「カ、……カミーユっ?」
カミーユは、美化でも知ってる超高級チョコブランドである。
「おいしかったですかっ?」
「うん。おいしかったよ」
「ですよね〜……」
(も〜! 宮古田カルチェ! カミーユか〜さすがキャバの嬢やわ……)
「でも俺はさっ! 美化ちゃんのくれた……うに……うに〜……」
「うにべるすっ?」
「そうっ! うにべるすの方が好きだったよ……。見た目も、ひとつひとつ可愛くて……すごくおいしかった」
「カミーユより、うにべるすの方がおいしかった?」
「うんっ! おいしかった」
「よかったあ♡」
美化のホッとした顔を見て、是露はとてもホッとした。
そして2人は残りのコーヒーを飲み干した。
「じゃあ、そろそろいきますか……」
是露は真剣な顔つきで美化を見た。
「……そうですね。お願いします」
美化も負けじと厳しい表情で是露を見た。
そう、美化は忘れてかけていたが、本日のメインイベント。
『残ネルの真のエンディングを見る』
が、幕を開けようとしていた。
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