第7話 アリステア奪還作戦!!
あれからまた1日が経過した。フレアから連絡があった
「今鬼人国の騎士団がクロスウェイに入って行きました!フィアンと突入して女王ぶっ殺して一応あの女も救出します!」
手紙は急いで書かれたせいか字が汚かった
魔法で送ってこれるなんてフレアいつの間にこんな技術を…
それに騎士団も無事ついたか…どうにか俺もそこにいければ……あ
「なぁ!ルーナ!ちょっと“あの二人”と話させてくれ!」
「は、はい!」
アリステアは俺たちが襲われた場にいなかった…ってことはきっとあの二人のどちらかが※“転移魔法”を使用できるはず!!
※転移魔法…無属性魔法でありながら習得するのに素人で10年かかるような上級魔法にも分類される魔法。近距離から遠距離、移動できる時間や一度で行ける人数などでその魔術師の技量が試せる。
ガチャ…
「では解除します」
パチン!
「…」
「…」
…いや生気失ってますけど?
「お、おーい。ちょっと聞きたいことが…」
「エイト様エイト様エイト様エイト様」
怖い怖い怖い怖い、なんか無機質的な話し方になってるんだけど
「おそらくエイト様への忠誠が芽生えたのかと」
「この部屋の効果絶大すぎない!?あとこれじゃ普通に話せないじゃん!」
「エイト様、数々のご無礼失礼いたしました。これからは罪を償うため生涯をかけてエイト様についていきます」
「あー全然ついて行かなくていいから頼みたいことあるんだけど」
「嫌だ嫌だいやぁ」
どうしたどうしたどうした
「ついて行かせてください、なんでもしますからぁ」
先ほどまで膝をつき忠誠を誓う騎士みたいな体制になっていたが、泣き崩れて駄々をこねる子供のようになっていた
「ルーナ…話ができないからこの状態どうにかできないかな?」
「元に戻すとまた私たちに向かって暴れそうなので昨日の時点に戻しますね」
「そんなこともできるの!?」
「回復魔法を一部を脳に少々施せば」
いよいよ、医者なんじゃないかこの人
パァァ…!
「えっと話せる?」
「出しなさいよ!この部屋から」
「あ、戻し過ぎました」
早くアリステアの居場所を知って、俺をそこへ送ってほしいのに…
パチン
「やはり暗闇のまま話しましょうマスター」
怖いこの人…
「あぁ、いやぁ。助けて…」
「俺の頼み聞いてくれたらルーナに解放するよう言うから話聞いてくれない?」
「わ、わかったわ」
「アリステアの場所はどこ?」
「クロスウェイの中心、女王の宮殿よ」
「な!なんの目的があってそんなとこに」
「私にもわからないわ、ただ女王からゴーレムを破壊した者を連れてきてって言われただけ」
「今すぐ俺をそこに連れて行ってくれ、アリステアを取り返す」
「無理よ、クロスウェイには対魔王軍の最強の※聖騎士団も通常サイズのゴーレムも多数いるわ、行ったら2度と帰れなくなる」
※聖騎士団…エルガルド同様魔王軍の領地が隣り合わせであるクロスウェイが生み出した騎士団。かつては魔王軍の幹部1体を討伐したこともあり、クロスウェイが1000年も続いてる国となっている
「いいよ、こっちにも頼もしい仲間がいるし、何よりアリステアには命救ってもらったからね」
闇魔法を喰らう前アリステアは俺を押して俺だけ回避させた。そこをルーナが助けに入ったから今ここにいる。もしかしたら俺なんて転移した途端殺されているかもしれない。
「わかったわ、ララ、ララ?」
あ、そういえばさっきから1人いるはずなのにもう1人がいない。
「…なんですの?」
「こいつが転移魔法使ってアリステアのとこに転移させてくれって」
パチン
「光…?光ってなんでしたっけ……ひっ!悪魔ですわ!あの女悪魔ですわ!」
俺もルーナが敵だったら多分そう呼んでるかもしれない
「早くしなさい、マスターを待たせないでください」
「マスター…この人がマスターですの!解放してください!忠誠でもなんでも誓います!」
「うん、転移させてくれれば解放するから…」
「はい!今すぐします!!
ズズッ
いつ見ても闇魔法はぶき…み…
–––––––––クロスウェイ、宮殿
ズズズ
「…ん?ここが宮殿か、、あれ?おかしいな、宮殿の中とは言ったけど…」
「なんだお前は!!どこから来たんだ!」
「聖騎士団の目の前とはいってねぇぇぇぇ!」
「おい!エイトなのか!」
「おぉ!アリステアか!ちょっと待ってろ!この騎士団撒いて戻ってくる!」
それにしても凄い数の騎士だな、まともに相手なんてできるわけない。
ダッダッダッダッ!
な!前からも来てるのか!?まずい!
ゴツン!!!
「痛…エイト…様?」
「あー!ご主人様だ!なんでこんなとこに!?」
「そうか!フレアとフィアンも宮殿に突入したんだった!ってそれより聖騎士達が!」
「「「待て!不法侵入者め!」」」
さっきの広間にいたのは100人くらいだったが俺についてきたのは5人か、そんだけ弱く見られてるってことだな、女王の護衛で精一杯だろうし。
「逃げるぞ!」
「エイト様への不敬…死に値する『
「ひっ!なんだこの氷!どんどん体が凍って…!あがっ…」
なんかこの5年間で、みんなかなり殺傷力ある魔法持ってない?
「埃以下は息をしないでくれない?『
獣人族は身体能力が並外れているため魔法はあまり使わず武器、または己の肉体で多種族をも凌駕する。
攻撃が早すぎて一瞬火花が散ったぞ!?
「痛いぃ!熱いぃ!たずげで…」
地獄絵図とはこのことだな、あっという間に5人倒してしまった…
「行きましょう…エイト様…女王抹殺計画を…」
アリステア奪還計画ね?
なんかそれだけ聞くと俺らめっちゃ悪党だぞ
「ついでに騎士の奴らも皆殺しにしよ」
あ、俺ら悪党かもしれん
「アリステア救出できればそれでいいから…」
「ご主人様にそんなに愛されているなんて…許さないアリステアとかいう女、火祭りに」
止まらないなこの人達
「まさか、兄上よりエイトの方が早く来るなんて…」
「そのエイトというものはお前の協力者か?」
「久しぶりだな、なぜこんなとこにいるんだ。“英雄”ザンド」
「その名で呼ぶのはやめろ、今は“聖騎士団副団長だ”」
ザンドは3年前まで今のアリステアと同じA級3位でアリステアのライバルでもあった。だが突然姿を消し、ギルドはザンドのいたA級3位という地位を当時のアリステアに渡され、A級冒険者順位が繰り上げされた。
英雄と呼ばれることになった理由は5年前のエルガルド魔王軍襲撃事件だ。
ザンドは町の人を避難させながらも必死に大型モンスターと対戦していた。そしてたった1人で幾千の魔物を倒し瀕死の状態で運ばれた。以来英雄と言われ
エイトが奴隷の少女を見つけたのもその年で、景気が悪く、貧しくなった家族が子供を奴隷商に売ることは少なくなかった
「クロスウェイの女王に誘われて気に入ったから入った。ただそれだけだ」
「嘘をつけ、お前は全員に平等でいつも沢山の国のために働いていたはずだ!」
「あんまうちの弟分を困らさないでくれないっすか??あんたらの間に何があったか知らんがザンドは本当に入りたくて入ったんすよ?」
「弟分…ってことは団長だな?」
「はいっす!自分は現聖騎士団団長のモードです!」
ふざけてるような話し方だがこいつからはザンドより…下手したら兄上と互角に渡り合える強さを秘めてる…
「あれ?もしかして僕の名前知らないっすか?モード=サンストーンって言えばわかりますか?」
サンストーン!?
「まさか…!」
「ふふ、S級2位の兄がいつもお世話になってます。」
この騎士団は僕が太刀打ちできるほどのものじゃない!なぜこんな精鋭がクロスウェイに……
バン!!
「帰ってきたぞアリステア!俺がやったわけじゃないけど」
「ちょっとちょっと〜女王様の前でそんな乱暴してもらっちゃ困りますよ、あとあんた誰っすか?」
ゾクッ!!
なんだこのおぞましい気は…これ以上前に進むと骨1つ残らないような…
「エイト様…下がっててください…」
「ちょっとは手応えありそうな奴もいるじゃん、それでも埃だけど」
「おぉおぉ、女の人とはあまりやり合いたくないですね…。」
「氷蝕…」「紅爪!」
キーーーーーーーーーーーン!!!!!
な!あの2人の攻撃を剣一振りで!??
「僕の剣は剣聖でも持っていない創造神級ですよ?そんな攻撃は簡単にいなせるっす」
剣には階級があり
最高神級(世界に1振り)
創造神級(世界に3振り)
神殺級(世界に10振り)
地滅級(世界に50振り)
などなど、大体の剣聖は神殺級と地滅級を所持している。シエラの剣も地滅級らしい
「エイト、お前らじゃ女王のところにすら辿り着けない。」
「流石、わかってますね。そうゆうことっす。この約100人の精鋭とゴーレム、そして僕とザンドがいる限り女王には指ひとつ触らないっすよ」
「ぐっ、、」
「エイト様…この宮殿破壊する手応え…かも」
「フィアン、あれやるの?大賛成。この男ムカつくしいいね」
「何するつもりだ?」
「見てたらわかります、必ずご主人様の望み通りにしますので」
見た感じこの宮殿はかなり強固な素材で作られているから傷つけることも困難な気がするが…破壊するなんて…どうやって?
「『冰覆』《アイスデストロイ》」
「加勢する〜、『紅爪・緋炎』!!」
フレアが魔法を!?しかも2人とも膨大な魔力が放出されて……
「まーずいっすね、これは予想外っす!!ザンド!女王様を外へ!」
「はっ!」
ヒューーーン………
それはまるで隕石のように、いとも簡単に地を削った
その威力は遠く離れた魔王城からも…
––––––––––––
「おぉ!なんじゃなんじゃ!戦争でもしてるのか!混ざっていいか【???】」
「いけません魔王様、それでは一瞬で戦争が終わります。それにしてもかなり大規模な爆発でしたね。魔王軍幹部の攻撃にも匹敵するような…」
「ケチ!だってなんか強い者達が魔王軍の領地に侵入して大変な時に我をいかせてくれなかったくせに」
「今は原因はわかりませんが消えたので、魔王城に近づいてきたら魔王様の出番を用意させていただきます」
「それ言ってもう100年経ってるのじゃ!!もっと戦いたいのに!」
「はいはい、いつかきますからね」
しかし妙ですね…最近、魔王軍の領地がその強い“3人組”に大幅に奪還されている。増援要請が来たのも10年ぶりくらいというのにそれも壊滅とは…調査する必要がありますね
この時魔王軍に近寄らずに均衡を保っていた世界は少しずつ崩落の道を辿っていくことをまだ誰も知る由はない。
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