第4話クラブ「Baker」

エミとノリコが勤める、松戸のクラブ「Baker」は松戸駅西口から歩いてほど近くのビルの4階にあった。


「今日は早番だから5時30分から勤務だよ」

エミはいう。

「「Baker」も一応舞台やマイクといったカラオケ機材はあるから、歌おうと思えば歌えるよ」

「シャンボさんは日本の曲だと「true love」とかが好きなんじゃ」

「おー、いいじゃん」

「goki君は歌わないの?」

「じゃあまあ、エド・シーランの「Bad Habits」を」

「わたしはねえ。aikoとか西野カナとかが好きかな」

「じゃあまあ、順番に歌って行きましょう」


店の奥からメガネをかけたかっぷくのいい40代くらいの男性が現れた。


「支配人のムラカミさんだよ」

「こちら、ボディガードを引き受けてくれるgokiさんとシャンボさんです」


「おお、君たちか。ウチで働きたいというのは」

「松戸の西口界隈も最近物騒でね。暴力団にスカウト、半グレ、政治結社、はたまた迷惑系ユーチューバーまで。あらゆる、いわゆるめんどくさい人間が乗り込んでくる。gokiさんにシャンボさん?用心棒。よろしく頼むよ」

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