第2話再出発

翌朝、豪志とシャンボが目を覚ますと、エミはもう起きていた。

「ずいぶん寝たねー。10時間くらい寝てたよ」

「申し訳ない。泊めてもらった分際で」

「朝だけど、お風呂入っちゃってよ」

「その間に朝ごはん作るねー」

トーストにミルクにサラダ、ウィンナー、目玉焼き。十分だった。

「ありがとうございます。エミさん。泊めてもらった上に朝食まで」

「いやいや。それで二人はこの後どうするつもりなの?」


「精神病院から脱走してきて、捜索願いも出てるだろうからまともな職にも就けそうもないし、正直弱ってます」

「われわれにできることと言えばサッカーと音楽ぐらい」

「とりあえず、シャンボさんとPOP音楽バンド「アナクロニズム」を結成したんじゃ。作詞作曲もできるし、日本語、英語、スペイン語の曲のカバーもできる」

「あとは、戸籍を新しく作って、イビツァ・オシム、村田美夏の子供、「オシム・村田・豪志」としてジェフ千葉のトライアウトを受けてプロサッカー選手になるか」


「ふーん。まあ戸籍を作ったりジェフ千葉のトライアウトは将来的な夢として。現実的には松戸のライブハウス「gifted」で音楽活動をして」

「あとは、二人とも用心棒やらない?わたしとノリコは昼間福祉施設で働きながら夜はホステスやってるんだけど。その夜働いてるクラブの方で用心棒というかボディガードを探してるのよ。松戸も不良客とかヤクザとか最近物騒になってきちゃって」

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