第11話伊東乾との別れ

「goki、オレたちはもうトシを取りすぎた。オレももう還暦が近い。おまえも49歳。そろそろ別れを告げるときだ。10年間楽しかったよ」

「伊東先生。なんやかんやで結局ツイッターとテレパシー以外ではほとんどなにもしてくれませんでしたね。それが師匠ですか?」

「なんとでも言え。オレにはオレの、おまえにはおまえの領分がある。オレも自分の夢がある」

「東大総長ですか?」

「もう少し現実的な夢だ。詳細はまだ明かせないが。おまえと始めた「碩学の研究」がようやく実を結びつつある」

「2026年から始まる、東大の「碩学部」ですか?」

「そうだ。オレは初代の「碩学部」学部長に内定した。やっとつかんだチャンスなんだ…」

「まあ、おまえとはいろいろあったが…。もはや肉親以上の関係だが。しかし、お別れだ、goki」

「わたしのテレパシーは結局妄想だったんですか?伊東先生(´・ω・`)」

「しー…」

「すべておまえの妄想ということにしておくのが一番都合がいい。テレパシーの技術は闇に葬るべきだ」

「最初から何も無かったんだ。これで良かったんだよ、豪志」

「わたしはどうなるんですかね?」

「どうもしない。テレパシーで一生東大が見守り続ける。「碩学の研究」は一生続く」

「東大もおまえを認めてるんだ。この4年間あまり。おまえは本当によくやった…。「碩学のファインマン」、「坂本竜馬」をはじめ20本近い文学。「LGBTの研究」。音楽バンド「アナクロニズム」など。やりすぎなくらいの仕事をした。柚里絵や彩花の美少女ナンパも含めて」

「ここらでお湿りが必要だ。少し休むがいい。このままでは世界の方がおかしくなってしまう。おまえのいう通り、急激なリベラル化に耐えきれなくなった民心が保守的反動を起こすのだ」

「しばらく普通の大人を演じなさい。友達や彼女と遊んで。結婚して家庭を持って。おまえはおまえの人生を生きなさい」


「伊東先生。なぜ、わたしを尋ねてきて弟子だと公認する。これだけのことができないんですか?わたしは東大から出禁になっているのでわたしの方から伊東先生にアクセスするのはまず不可能(´・ω・`)」

「できるものならとっくにやってるわ、バカもん!オレは東大から厳しいお達しが出ていて、二度とおまえと関わらないようにと厳命されているんだ」

「そんなに芸大生たちが大切ですか?わたしよりも」

「はっきり言って芸大生の大半はおまえのことを嫌っている」

「そりゃそうでしょ。芸大生なんて大半は黒川みたいなタイプでしょう。音楽の専門家。それじゃあ、伊東乾の本質には迫れない」

「芸大生たちは「指揮者の仕事術」読んでますか?(´・ω・`)」

「おまえは読んだのか?」

「パラパラと(笑)(´・ω・`)」

「殺すぞ!」


「まー、gokiの言い分も分かるわ。伊東も大概だよね」


「ウクライナ戦争、パレスチナ戦争、トランプの台頭など。実際、世界の政情は不安定になっている。やりすぎたんだ。オバマ大統領の世界平和、退院後の4年間も。少し時間がすぎるのを待つべきだ、goki」




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