第3話 バーチャルアイドル候補生

さて、私の推しの「バーチャルアイドル候補生 乃愛」さんについての基礎知識はこれくらいにして、続いては彼女の肩書である「バーチャルアイドル候補生」について、もう少し詳しく説明したいと思う。


「何をもって「アイドル」と言うか?」の考え方は、様々あるだろう。例えば自分自身や周囲の人が、アイドルと言ってしまっても成り立つかも知れない。でもまぁ、「事務所に所属してアイドル・芸能人として活動している人」という認識が一般的かなぁ。その候補生。つまり彼女は、「将来的にバーチャルキャラとして、アイドル活動を行っていく可能性を持つ一人」と言った感じらしい。

「らしい」というのは、アイドルになる具体的なスケジュールを少なくとも彼女は知らないから。そして、「候補生は彼女以外にも何人か存在する」から。

どうやら彼女たちの所属事務所が企画している「バーチャルアイドル」は、候補生の中から選抜された子だけがなれるらしい。そんな選抜される側の「アイドル候補生」に課せられたことのひとつが、この「ライブ配信」である。


そう、「バーチャルアイドル候補生」である彼女らは、アイドルとしての夢や希望をかけて、配信に臨んでいるのだ!



・・・といっても、僕が今見ている乃愛さんの配信からは、切羽詰まったものは、―ひょっとしたら彼女の中にはあるかも知れないけれど―伝わってこない。

他の候補生の方の配信も度々見に行くが、個人差はあれどやはり、切羽詰まった感じの配信は、ほとんど見受けられない。


その理由は、彼女たちが配信を始めてから約半年経って慣れてきているからと、・・・今が、互いの人気を競い合うようなイベントの最中ではないからであろう・・


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