血塗れ凪ぎ、独りきり
葉桜冷
プロローグ
路地裏に血が溜まっている。
人がそこで死んでいた。
若い男の死体だ。
男は殺されている。
薄暗い路地裏の幽かな明かりに鈍く光るナイフがある。
――少女がそこにいた。
その手にべっとりと血がついていた。
月明かりの亡い、ソラのした。
少女の貌がこちらを見た。
僕は、何も思わない。
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