恋人になれない2人✨✨

たから聖

第1話 恋人同士にはなれなかったふたり

敦也との出逢いは、あるサイトだった。

敦也の写真を一目見て……私は

気に入ってしまったのだ。


敦也から返事が来なくて、最初はやきもきする私……。


そのうち返事くるよね?

と眠りに落ちた…………



次の日。

敦也から返事が来ていた。時間は朝の5時頃。


寝起きで、ぼんやりとした頭を

1本のタバコで、ゆっくりと

現実へと戻す。



敦也の返事は、こうだった。


《君の顔も見たいな?》と甘く

ささやく敦也は、文章からも

分かるくらいのモテ男だった。



私は、慌ててシャワーを浴びて

化粧を完璧にして

角度を構えて、写真を撮ると


FACEUPの画像処理を少しだけしたのを敦也に転送した。



敦也からの返事は直ぐに届いた。


『宮乃ちゃん、可愛いね?

モテるだろ?僕が立候補しようかな?』


『……!!!』

私は部屋中を飛び回っていた。


嬉しくて嬉しくて、敦也とのやり取りが始まった。



メールの中での敦也は、とても

優しかった。敦也はいつも


『宮乃ちゃんだけだよ。僕には

君しか居ないんだ。』



お互いの気持が盛り上がってくると、声が聴きたくて電話を

かけた。敦也の声はとてもセクシーだった。



敦也は電話でも

『愛してるよ。宮乃。好きだよ。』


余りの愛の言葉のオンパレードに私はますます

敦也が好きになった。



と言うか、敦也無しでは居られない状態になってしまった。



数日後、敦也からの連絡が

一時期途絶えると、私は生きた心地がしなかった。



食事をしてても、味がしない。

あんなに好きだったお菓子作りにもやる気が起きない。


私のこと…………嫌いになったの?』



涙も流せずに、ただただ

ぼんやりとした日々が続いた。


一人でお酒を飲んでいると、



突然の連絡が来た。



私は、直ぐに電話をかけた。


でも敦也は、今までとは違った。





特に嫌われてる訳では無いけど、

何だか敦也はよそよそしい。


私が…………

『どうしたの?敦也。』

『私のこと……嫌いなの?』



敦也は、黙ったままで何も話そうとしなかった。



ただ一つ、分かったこと。





電話口の向こう側からは



と幸せそうな家庭が築かれていた。敦也は、最初は私のことを


本気で、愛していた。だけど…………。ごめん、宮乃。






私は、あなた無しでは

生きられない!イヤだ!と


駄々をこねる。それでも敦也は

家庭を選んだのだ。




奥さん、どんな人なんだろう。



あの時の、敦也の気持ちはホンモノだったのかな?


私は、これからどうやって

生きて行けば良いの?





(敦也に逢いたい!!)



こんなことしたら、敦也に嫌われる!でも、、、



平日の昼間に、敦也の仕事場に

勇気を出して、顔を出してみたら

敦也は意外な反応を示した。




私の姿を見るなり

敦也は、私のことを強く抱き締めた。



敦也の激しい鼓動が聞こえてきて

私は、ようやく生きていて

よかったと思えた。



その夜…………


敦也との熱い時間を過ごした。

敦也の忘れられないテクニックに


私は溺れた。





敦也は、その後……私に謝ってきた。




『宮乃。愛してる。ごめん。』




『敦也、分かってるわ。あなたは

ステキな男性だもの。』



お互いに、2度目はない事を

察していた。




ホントに愛してるから。



あなたが大事だから。

だから…………。





ホテルの部屋から出るときに


甘いキスを交わすと

敦也との楽しかった思い出を


封印した。





ありがとう。敦也。


愛していたよ、だけど。


あなたは、ずるくてステキだったわ。






私だけのあなた。





は言わないわ






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恋人になれない2人✨✨ たから聖 @08061012

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