第282話 出航日

 俺とシュガーは一応近隣の村で彼女のレベルを出航日までに少しだけ上げていた。


 最初の内は優樹達にも手伝って貰っていたが、この辺の敵の経験は不味すぎたので、途中から俺とシュガーのみでレベルを上げることになった。


 本当はこいつ一人で勝手にレベル上げをしてくれれば良い話だったんだけど、俺が近くにいないとレベルが上がらないとか言うクソみたいな制約を課せられているので仕方ないだろう。


 そのおかげでこいつに仕返しができているから文句も言えないのだが...。


 ここいら周辺でレベルを上げていると、日が暮れてきたので奴のステータスを見てみる。


 シュガー【低位吸血鬼】【勇者】【高位吸血鬼の眷属】【弱体術師の言いなりペット】レベル25


 HP ・340


 MP・560


 力・188


 守り・179+1


 素早さ・158


 知力・40


 器用さ・30


 攻撃魔力・672


 回復魔力・672


 妨害魔力・302


 耐性『無し』


 EXスキル『【プチ吸血】【吸血】【装備補正・吸血鬼】【装備補正・勇者】』


 マイナススキル『【純化】【お子様化】【身体の成長抑制】【弱体術師に絶対服従】【弱体術師の許可なしにレベルが上がらない呪い】』


 攻撃スキル『【鮮血】【電撃剣】』


 魔法『【電撃魔法・小】【電撃魔法・中】【鮮血魔法・小】【鮮血魔法・中】【回復魔法・小】』


 武器【なし】


 防具【奴隷の服】


 防御力+1


『服と言うより薄汚いボロ布。所々破けており武器を隠す隙間もない程に露わになった肌を見せつける事で奴隷としての自覚を持たせるのだ』


 俺は思わず目を見張る。


「...レベル25にしてはステータスが高くないか?」


「そうか? まあ以前よりも高くなってはいますけど、それでも驚く程ではないと思うのですが...」


「いや、高いよこれ。どう考えても俺がレベル25の時よりも圧倒的に高い」


 これが世界を救う勇者補正と言うやつなのだろうか? それとも【弱体術師】の魔物成長補正が効いているのか?


 ステータスが全体的に高くてめっちゃ強い気がする。


(まあ良い、俺の奴隷となっているんだから強い方が良いに決まっているからな)


 そう思うことにしよう。


 そして実験の結果俺には反抗できない事が分かったので、一度村に戻ってシュガーの装備品を作ってやる事にするのでした。

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