第278話 皮の鞭

「俺もようやくまともな武器が買えるな」


 今まで杖と魔導書の魔法で戦ってきただけに物理で殴れる鞭スキルには期待できる。


 俺は武器やで1番安価な鞭とそこそこ値の張る鞭の二つを購入した。


 片方は調教用で片方は戦闘用だ。


 皮の鞭


 攻撃力+10


『獣の皮で作られた一般的な鞭。馬の調教などに使われているが戦闘にも一応使える」3


 毒蛇の鞭


 攻撃力+50


『毒蛇から採取した毒を鞭の内側に仕込んだ狂気の鞭。鞭が着弾するとそこから毒が噴出し相手を【毒】状態にする』


 アルセージの武器屋ではこのくらいが限度だろう。


 まあ、武器はアイテム合成で強くできるから問題ない。


 そう思っていると...。


『EXスキル【鞭の基本動作】と【魔物の躾方】を取得しました。これにより攻撃スキル【痺れ打ち】と【調教打ち】を取得します』


 初めての攻撃スキルに俺は歓喜した!


「よっしゃ!!! これでようやく俺も攻撃に参加できる!!!」


「ご主人様?」


 シュガーが喜ぶ俺に向かってご主人様と呼んでくるのは未だに違和感があるがすぐになれるだろう。


「シュガー、早速試させてくれ」


「はいっ?」


「【調教打ち】!」


 皮の鞭を装備して優しく奴を叩く。


「な! 何するんですか!」


 いきなり叩かれたのでびっくりしたのだろう。


 彼女が怒る気持ちも分かるが効果の程は?


 ...。


「おい、何か変化あるか?」


「変化ですか? う〜ん...?」


 特に変化はないようだ。


【調教打ち】今の所謎のスキルだが、スキルとして存在する以上絶対に効果があるはずだ。


 俺はそう思いながら一度皮の鞭をメニュー欄に仕舞い込んでから毒蛇の鞭を強化し始めるのでした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る