第236話 子供救助の報酬

 俺たちは一度テローゼ村に戻り行方不明だった子供を送り届けた。


「この馬鹿っ! なんで川の近くまで行ったの!!」


「それは...、今の俺ならギカンテスくらい倒せると思って...」


「馬鹿っ! もうちょっとレベルを上げてからじゃないとその辺の相手はダメって言ってたでしょう! 和希さん! 愚息を助けていただきありがとうございました」


「いや、礼ならケロナに言ってくれ。俺だけじゃ絶対にその子を発見できなかった。こいつの無謀な行為がその子を助けたんだ」


「無謀な行為って、ただ川を駆け降りただけでしょ?」


「それが無謀っていうんだよ! 普通川の激流に飲まれたら死ぬからな!」


 俺とケロナの言い合いを見ていたおばさんが俺たちに新鮮な野菜やこの辺で取れる魔物の素材を報酬として分けてくれました。


「そうだ、息子を救って下さったお礼にこれを受け取っておくれよ」


「良いのか?」


「ああ、魔物の素材にはまだ余裕があるし、食材は旬の内に食べておかないとね」


(この世界には季節とかないのに旬とかあるのだろうか?)


 そういうツッコミを1人でしつつも礼は言っておく。


「助かる」


 よくみるとそこそこの粒揃いな素材に俺は目移りした。


(何を作るか? 俺は新調したいばかりだからいいとして、ラカラ辺りのブーメランでも強化するかな)


 大量に渡された素材の使い方を模索しながらも、今日は近場でちょっとだけレベリングした後で休む事にするのでした。

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