第232話 心配②
「滝って! 和希! ケロナちゃんは落ちたの!?」
「俺が知るか!! とにかく下の方を探してみるぞ!」
俺たちは滝の下に降りてケロナを探してみる。
「ケロナ!! いるか!?」
俺が大声で叫ぶと...。
「お〜い!! ここだ〜!」
近くでケロナの声が聞こえてきた。
「こっちの方だな」
滝からちょっと離れた場所で焚き火の煙が見えてきたのでそこに向かうと...。
「はっ!?」
ケロナと行方不明だった子供が呑気に魚を焼いて待っていたのだ。
「どうやらこの子も川に流されて滝から落ちたらしいんだよ。でもまあ無事でよかった」
「いやいやいや、あの滝20メートルくらいあるぞ? 普通なら死ぬんじゃないか?」
魔族であるケロナならともかくこの少年が普通に五体満足で生きている事に驚く俺。
(こいつ...、なんかスカしてやがるがかなり凄い奴なのでは?)
もう一度滝の方を見てみるがやはり人間が落ちて大丈夫な高さではないだろう。
「大丈夫だったか?」
俺がそう聞くと「まあな」と呟く少年。
見たところ問題なさそうだったので帰ろうとしていると...。
「あっ! ちょっと待てよ! こいつと今から昼飯にするんだからさ! 和希たちも食べていけよ! 私が川で採ってきたイキの良い川の魚だぞ!」
大きな魚を巨木で突き刺して丸焼きにしているので結構時間がかかるだろうが、ケロナの作った料理はなんでも妙に美味くなるので断る必要はないだろう。
「分かった。じゃあその昼飯を食べたらレベル上げの続きだからな」
俺はそう呟くと彼女の昼飯につきあうのでした。
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