第192話 修行

 次の戦争までのタイムリミットが再び迫って来ている。


 なので時間の許す限りアルシェのレベルを上げようと思う。


 この前のステータスの成長振りを見た俺は確信していた。


 彼女はちゃんと育てれば恐らく俺たちの中で誰よりも壁役として1番貢献できる人物になるであろうと言う事に。


(防御力とHPの伸びが凄まじいな。まだレベルが低いのにもう俺たちの中でトップだ)


 圧倒的なHPと防御力、そして回復魔法によって1番生存力が高いのが彼女となるだろう。


 地味に攻撃力もそこそこあるので、まるで勇者のような運用ができるだろう。


 どうやら彼女の職業は【騎士】であるらしい事がEXスキルによって明らかになった。


 いや、まあ最初っからよくステータス画面を見ていれば気がつく事なのだが、俺はステータスとEXスキルを結構な量あるな〜くらいにしか思っていなかったからか【騎士】のスキル名に目が行ってなかったのである。


 エトランゼの周辺は雑魚から強敵まで豊富に生息していつるので初心者から中級者くらいの冒険者にとても重宝されているようだ。


 確かに冒険者の数も他の町より多いような気がする。


 ギルドも大きいしな。


 そうして俺たちは準備をしっかりと行いながら3回目の戦争に備える。


 レベルを上げて新たな魔法を覚えたり新しい装備を合成したりスキルを取得していたりしているとすぐに時間が経ってしまう。


 アルシェのレベルが30程度、俺たちのレベルが50程度になったところで戦争へのカウントダウンが始まる。


 00:00:40


「もう少しなのですね。ドキドキします」


 などと呟くアルシェに俺は呟いた。


「遊びに行くんじゃないぞ? 俺たちは戦いに行くんだ」


「分かっています。ですが初めての戦争ですから大活躍して見せますよ!」


 剣を振って笑顔を向ける彼女を見ていると力が抜けてくるな。


 00:00:20


「さあ、おしゃべりは終わりだ。アルシェ。お前の防御力には期待しているからな」


「はいっ!」


 00:00:00


 カウントダウンが0を示すと俺たちは再び戦場のど真ん中に強制移動させられてしまうのでした。

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