第145話 食べ歩き②
「いらっしゃいませ〜! 何名様ですか!?」
「一人だ」
「お一人様ですね! ではカウンター席にどうぞ!」
俺はカウンター席に座り注文表を見る。
(よしっ! 奮発してこのデラックスセットとか言う奴にしよう!)
先ほどの団子屋が予想以上に美味かったのでこちらも期待できると思った俺はついつい財布の紐が緩んでいた。
「デラックスセット一つですね! かしこまりました!」
ビシッと決めるウェイトレスさんがすぐに奥へと向かう。
しばらく経つとデラックスセットを持った彼女が再び現れた。
「はい! こちらがデラックスセットになります!」
「おおっ!」
俺は思わずそう唸っていた。
(凄い! 色とりどりの野菜に海老もある! まさに天ぷらのフルコースだな!)
「まずはこの野菜だな!」
そう言ってレンコンを頬張る。
「おっ! 見事なまでのシャキシャキ感! 新鮮な野菜を使っているな!」
次に茄子、続いてサツマイモにカボチャ、そしてしいたけを頬張った。
(うん! 全部美味いな!)
自分が日本人である事を良く思い出す味の数々に俺は感動していた。
そして最後はもちろん...。
「お前だ! ちくわ!」
いやエビじゃないんかーい! とツッコミたくなるのは分かるが、やはり庶民の味方ちくわの天ぷらは最高の美食なのだ。
俺は箸に挟んでいるちくわを食べる。
「う...美味い!! 美味すぎる!!!」
やっぱりこれなんだよな〜...。
こいつを食べるとうどんを食べたくなるのは俺だけだろうか?
スッゲ〜合うんだよな、うどんとちくわの天ぷらは...。
「ふぅ...」
そう思いながらも充分に満足したので俺は腹をさすりながら余韻に浸っているのでした。
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