第114話 ルーリエッタ戦線②

「【キャットスタンプ】!」


 シュナが大きく飛び上がり踵落としを繰り出すと、10匹程度のアンデットが倒される!  


「ナイス! シュナ!」


 俺はそう言いながら奴らにデバフをかける。


 アンデットだから毒状態や幻惑状態にならないのが厄介だが、束縛などはちゃんと効くのでちゃんと対処していく。


「今だラカラ! 状態異常がついている奴らを攻撃してくれ!」


「分かった! 【パラライズハント】!」


 短剣を振り翳してアンデット集団を倒していくが、やはり効率が悪い。


(まずいな、やっぱりこういう集団戦になると全体攻撃のない俺たちは超不利だ)


 ろくな魔法攻撃役のいない俺たちにとってこういう集団戦はかなりきつい。


 消耗戦になると数で勝る魔王軍の方が圧倒的に有利だからだ。


(時間がかかりすぎる! 最後まで皆の体力が保つのか!?)


 そればっかりが気掛かりになる。


 一応優樹のバフ効果と回復魔法でそこそこ長期戦にも対応はできるが、それでも体の奥底に溜まった疲労感は蓄積されていく。


 時間をかければかけるほどどんどん不利になっていくのだ。


 せめて全体攻撃があれば...!


 そう思った矢先でした。


 不意にシュナが体を拘束回転させ始め、鋭い真空波を生み出した!


「【キャットスピン】!!」


 その攻撃は一気に奴らを蹴散らした!


「凄いなシュナ! いつのまにかそんなスキルを覚えたんだ?」


 そう効くと「今のレベルアップで習得しました」と答えてくれた。


 こんな時にそんな良い技を覚えてくれた事によって活路を見出せるようになったのでした。

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