第20話


美しい? 永野先輩なら十分美しいのに。


「 綺麗になればいいのね・ ん?・・てゆうことは、あたしって美しくないわけ? 」


「 規定外 」


「 悔しい!絶世美人になって見返してやるんだから! 」


「 今度会う時を楽しみにしているよ、じゃあな 」


椎名くんてチョー面食い?


永野先輩も行ってしまった。


とうとう椎名くんとわたしと二人きりになってしまった。


『  キュルルン♪  』


わッ おなかが鳴っています…お願いだから私のお腹さん…静かにしてッ!


「 どこ〜?・・ 」


!?


何かを探すかのように、突然、椎名くんが教室内を歩き回り始めた。


「 隠れてないで出ておいで〜 」


う、嘘でしょ?


「 どこに隠れているのかなぁ 」


まさか、わたしがここにいることを知っている!?


「 ここかな? 」


ひとつひとつ、テーブルの下を覗き込んで確認していく椎名くん。


見つかってしまう!


次はわたしが隠れているテーブル…


「 み〜いちゃん! 」


み、みぃちゃん!?


わたしの名前!?


完全にわたしのことだ!


「 出てきたら抱っこしてあげるよ 」


抱っこ!?


「 チュウもしちゃおうかな〜! 」


はぁ?


・・・・・


抱っこして  チュウ


ヤダ〜〜ッ!!

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