クラスカースト一軍のS級美少女ギャルに、俺がぼっちのなり方を教える話
戯 一樹
プロローグ
唐突だが、ここで少し質問させてほしい。
生きていく上で、友達という存在は果たして必要なのだろうか?
こう問われたら、きっとほとんどの人が「そりゃ必要だろ」と答えることだろう。中には「友達のいない人生なんて考えられない!」と声を大にして主張する人もいるはずだ。
それでも俺は、この質問に対して真摯にこう答えたい。
必ずしも友達がいる必要はない、と。
誤解してもらいたくないのだが、友達がいること自体は別に否定するつもりはない。むしろ良いことだとも思っている。
じゃあ逆に友達が一人もいなかったとして、それはいけないことなのだろうか?
答えは否だ。
友達がいないからって、なにもマイナスに捉える必要なんてどこにもない。
特に俺みたいな、人間関係が面倒くさくなって自らぼっちの道を選んだ奴にしてみれば、なおさらに。
だが世間は、そんな俺みたいなぼっちを悪く言う風潮がある。
友達がいない奴はダメだとか、協調性のない奴は社会不適合者と同じだとか、むしろ社会の最底辺だとか。
これが欧米とかだと個性として見てくれるのだろうけど、こと日本という和を重んじる国では、そういうわけにはいかない仕様になっているのだ。
ほんと、ぼっちには生き辛い国である。
だが俺は、この生き方を改めるつもりは微塵たりともない。興味のない人間と意味もなく一緒にいるくらいなら、独りでいた方がずっと気楽だからだ。
だから今からする話も、ぼっちな俺が右往左往とするだけの物語だ。
ぼっちに惹かれる人気者の少女と、ふとしたきっかけで関わるようになっただけの、ただそれだけの物語だ。
それでもいいのなら、少しの間だけ俺のつまらない話に付き合ってくれ。
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