甕持ち
「……
「やれやれ。悪竜王の名にこれだけ泥を塗られて、なお黙っているのは性に合わぬ」
「いい加減、傍観にも飽きたしの……そろそろワシも重い腰を上げるとしようか」
「退屈な浮世を、甘美なる悲劇の大舞台に変える時じゃ」
「──さて、まずは下拵えといこうかの」
【クラス】エネミー
【名称】甕持ち(通称)
【種族】ゴーレム
【性別】無し。男性型も女性型もいる
【強さ】★★★☆☆ ※戦闘力のみの評価
【生息場所】感情を持つ生物がいる場所なら、どこにでも出現する。
【武器】
『悪意の甕』。そこにあるだけで周囲の悪意を少しずつ甕の中に集めるアイテム。甕の底は負感情専用の転移装置になっており、甕持ちたちの本体である『悪竜の大甕』に転送する。ただし負感情以外の情念や物体は全て弾かれるため、甕経由でハイネを攻撃したり洗脳したりすることはできない。
デフォルトでは炊飯器サイズの甕だが、甕自体にも変形性能があり、器の形をしたもの・器としての役目を果たすものならなんにでもなれる。場面に合わせて桶になったりワイングラスになったり伝説の聖杯(偽物)になったりする。
【特殊能力】
・悪意喚起
悪竜王ハイネの固有能力の劣化コピー。そこにいるだけで周囲の悪意を少しずつ増幅し、『悪意の甕』に納める悪意をじわじわと増やしている。ハイネの意向により常時発動型となり、効果範囲も広がったが、効力はオリジナルよりも大幅に減衰している。
・石の体躯
ゴーレム部分、甕部分ともに魔力を帯びた岩石でできており、竜の鱗ほどではないがそこそこ硬い。生半可な武器では傷すらつけられないと思われる。素手で殴れば確実に殴った手のほうが血を流し、激痛に悶えるだろう。
攻撃を受けるなどして危機が迫れば、この体躯で反撃してくるケースもある。単純な殴る蹴るといった攻撃ばかりだが、普通に重くて固くて痛い。ただし攻撃速度は比較的遅め。
・変形可能
その場に応じて姿を変え、ふさわしい感じの生き物に成りすますことができる。全ての個体に共通した特徴は「常に表情筋が死んでいる」「顔色も悪く不気味な印象を与える」という2点。ただし『悪意の甕』を持てないほど小さい、もしくは虚弱な生物にはならない。
【容姿】
出現する場所に応じて姿を変え、周囲に溶け込む性質がある。そのため人間型も動物型も魔獣型もいる。共通している点は『悪意の甕』を持っている点。この甕も場合により形が違うため、一般人と見分けるのは難しい。
【詳細】
気付いたら世界的に見られるようになっていたゴーレム。最初に有害性があると認知された個体が炊飯器サイズの甕を手にしていたため、そう呼ばれている。
基本的に自我はないが、悪意に引き寄せられる習性を持たされており、悪意の多い場所に自ら赴いては悪意を集めハイネのもとに送っている。それだけ。放っておけば自分から攻撃してくることはないため、ハイネと関わらない一般人からすると脅威度がわかりにくい。
一体一体はその気になれば倒せるレベルだが、各エリアに複数ある発生地点さえ残っていれば無限ポップする。この発生地点は大きな甕の形をしており、竜の鱗を埋め込まれているらしく普通の武器では破壊できない。なんなら発生地点を潰しても、どこかにある本体が無事ならしばらく経てば再び発生地点が作られるらしい。そして本体の場所は今のところ誰も知らない。理不尽。
このゴーレムは黙して語らず、本体や術者についても何一つ話さない。そのため会話による意志疎通は不可能である(最低限のジェスチャーはできる)。不気味。
なお、本体はゴーレムではなく甕の方。つまり甕を破壊しなければゴーレムは何度でも再生、復活する。しかし一度甕を破壊されると、ゴーレムごと塵と化し消滅する。
メタ情報:
ハイネの本気その1。最近色々あって発生している悪意不足を補うために作られた特性ゴーレム。実は結構前から温めていたエネミーなのだが、眷属のうち二人が撃破されたため、そろそろ頃合いだと判断してお披露目と相成った。結構前に出したメイドホムンクルスのイェルペちゃんの項に「あくまで実験」と書いたが、これは甕持ちを作るための実験だったらしい。多分あの極悪メイドはそれなりに上手くやっているんだろうなぁ……(遠い目)
本当に色々あったため、流石のハイネもちょっとだけ本気を出した模様。作者はちょっとやりすぎじゃないかと躊躇しながらお出ししている。
そんなわけで対処困難な仕様となっている。まず個体数が単純に多いうえ、倒しても倒しても無限ポップする。無限ポップを止めるには各エリアに複数設置された「発生地点」を潰す必要がある(この発生地点は眷属や知り合いの竜をけしかけて作らせたらしい)。発生地点を潰しても既に存在する甕持ちは消えない点と、ハイネが所有する本体『悪竜の大甕』があれば発生地点も再生する(ただし3日~4日程度のラグはある)にだけ注意が必要。
とはいえぶっちゃけ、同種ゴーレムだけを世界的にピンポイントで根絶できれば処理は一発で済む。……が、それをされるとハイネは本当に本気を出してセントラル半壊レベルの被害を生むだろう。やめておくことを推奨する。
甕持ちを放っておけばハイネは潤沢な悪意を得てすさまじく強くなるだろう。
なお、ハイネのもとにある本体こと『悪竜の大甕』は、紅い液体に黒い花が浸されたハーバリウム。ぱっと見はただのインテリアだが、そこにあるだけでハイネに悪意を供給する。『悪竜の大甕』を破壊すると無限ポップが即座に止まるうえ、既に存在する甕持ちもすべて塵と化す。ただしこれも竜の鱗が埋め込まれているため、竜殺しの武器でないと破壊できないぞ!
あとこの『悪竜の大甕』にも発生地点としての性能はある。ハイネと本気でやり合う場合、戦闘向けにチューニングされた特性の甕持ちも相手にしなければならなくなるかもしれない。
集団に紛れ込むことで真価を発揮するエネミーのため、人間による組織系エネミー(いつぞやの転生統率祝福協会みたいな)に紛れて登場させると面白くなりそう。
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