イジメを受け自○した俺は異世界で怪獣に転生するも最弱だったが、そこから最強へと成り上がる

@REX3150

第一章 転生編

第1話 プロローグ

 俺はいじめられている。

なぜなら俺はチビで軟弱、さらには家は貧乏だった。

だからすぐにクラスの不良集団に目をつけられた。

そして今はカツアゲをされている真っ最中。


「やめてくれよ! もう金が無いんだ!」


 俺はいつもどおり情けなく助けを乞うが、コイツらがそれを聞き入れるはずもない。


「うるせぇ! 早くジュース買って来いよ!」


「そうだぜ、俺らダチだろ?」


「ダチ頼みが聞けねぇのか!?」


 誰がテメェらなんかとダチなんだよ! いちいち殴りかかって来るくせに! 頭狂ってるんじゃねぇのか!! そう思ってはいたが、当然俺には殴り返すどころか言い返す度胸もない。


「でも、本当に足りないんだ!! 勘弁してくれ!!」


 俺の一言に不良のリーダーの男が、イラついた感じで舌打ちをすると、俺の胸倉を掴んできた。


「テメェ……カスで貧乏人の分際で俺様に指図するとは、ふざけた野郎だ」


 すると、周りの不良たちが、ここぞとばかりにはしゃぎ立てる。


「そうだそうだ!!」


「調子乗んな底辺風情が!!」


 ふざけてんのはどっちだよ!! そう思っていると、不良のリーダーに顔面を殴られた。

そして顔を俺に近づけて言った。


「テメェ見てぇなカスが、俺様と口を聞ける時点で感謝するべきなんだぜ。底辺の貧乏人に生きる価値なんざねぇんだからよ」


「チビで華奢で軟弱なテメェなら尚更だ」


 何を言っているんだこいつは。

俺は呆れて言葉が出なかった。

ソイツは続ける。


「だから、テメェ見てぇな底辺は俺様達の奴隷。主人の言う事が聞けねぇなら、躾をするまでだ」


「テメェら、やれ」


 そして、俺はいつもどおりボコボコにされ、帰路に着いた。

母さんが心配した様子で俺の元に来る。

そりゃそうだ、こんだけ殴られたら顔もボコボコだ。


「……!! どうしたのその顔!! すごい腫れてるじゃない」


「うるせぇな。ちょっと喧嘩しただけだろ。ほっといてくれ」


 俺はそう言うと、自室に入り、内から鍵を閉める。

母さんが何か言っている様だったが、俺には関係ないと言った感じで布団に包まる。

次の日


「また朝かよ。ずっと寝ていたいぜ」


 俺は軽い割には重く感じる体を起こし、部屋のテレビをつける。


≪次のニュースです。東京都渋谷区に住む中学三年生、三浦まどかさんが、昨夜遺体で発見されました。遺体には複数の刺し傷があり、警察は殺人事件として調査しています≫


「え?」


 今流れたニュースを見て言葉を失った。三浦まどか。俺の唯一の友達だった人だ。


「これは何かの間違いだ! まどかが簡単に殺されるはずがねぇ!!」


 まどかは軟弱な俺と違って体は小柄なのに喧嘩は相当強い。

ある日俺が不良に絡まれていると、突然現れ、不良たちを全員ボコボコにして病院送りにしたのを俺は見ていたからだ。


「アイツは喧嘩は強かったけど、大切な誰かを守る為にしか暴力は振るわない。本当に優しい娘だった」


 そうだ、アイツは俺には特に優しく接してくれた。

一人で飯を食べている時は一緒に食べてくれた。

祭りやカラオケも一緒に行った。

そして、守ってくれた。

男としては情けない限りだが、嬉しかった。

俺とアイツはいつも一緒だった。


「でも……アイツは今……もうこの世にはいない。そしたらまた……独りぼっちか」


 目に涙が溢れる。

もういいわ、こんな世界。

生きるのも懲り懲りだ。


「もう……死んでしまおう」


 気付いたら、俺はベランダから身を乗り出していた。


「ここから飛び降りたらさ……楽になれるかな」


「今行くぜ、まどか……」


 生きる事なんてどうでもいい。

早く楽になりたい。

俺は、マンションのベランダから飛び降りた。

そして、そのまま地面に叩きつけられて絶命した。

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