第5話 狼(会長)は後ろにいる。
あのあと、俺はなんとか帰らせてもらった。約一時間ほど俺は拘束され、やっと会長が折れてくれたのだったのだが。現在、俺のマンションにはなぜか。
「なんでお前がいるんだ。花音」
部屋の中のは俺の女友達であり、この元凶とでも言える女友達の花音が自分の家であるかのように部屋で居座っていた。
「だって合鍵あったし、暇だったから来ちゃった」
こんな時俺はどんな回答をすればいいのだろうか。第一合鍵とはこいつが勝手に俺の家の鍵を俺がいない好きに奪い取り勝手に作ったものである。この前、一回取り上げたはずなんだけどな。どういうわけか無尽蔵に湧いて出てくる。そのせいで合鍵専用の引き出しがあるぐらいだ。
「だって私が蒼の合鍵の合鍵を持っているからに決まってるじゃん」
「人の頭の中を勝手に読まないでくれます?」
「カマかけただけなんだけどね。なんというか顔がそう言っていた」
「もし今の話が本当ならもうどれだけ取り上げても意味ない気がするんだが」
「うん。そうだよ。だからこれからも私は蒼の家に凸るね」
「うん。そうだよ。じゃねぇよ。というかなんでお前はこれからも俺の家に来ようとするんだ」
「だって暇だから」
悪びれずにそんな事を言う花音。それに対し俺は怒りが湧いてきた。
「家で遊べ家で。俺をお前の暇つぶしに巻き込むな」
「いやよ。一人は寂しいから」
「お前は子供か。というかなんで友達作らねぇんだよ。一人が嫌なんだろ」
「だって人が多いのは苦手だし。そもそも陽キャの集団になんか入りたくないし。大体私って可愛いから絶対男がはびこると思うんだよね。ハエが自分の周りを飛んでるのって煩わしくない?」
「男のことをハエって呼ぶのはやめような。中学の時からその呼び方してるけどいい加減高校生なんだからちゃんと男の子を見てあげようね」
「なんで急に父親面するの?はっきり言ってはハエよりもキモいんだけど」
「だって花音がいつまで立っても彼氏ができなさそうで」
「なんで私に彼氏を作ろうとしているのか不思議でしょうがないんだけど」
「だってそしたら、お前の悪口を言い合える仲間ができるから」
「……ちょっとお前表出ろ。今すぐそんな考えをぶっ飛ばしてやるから」
「誠に申し訳ございませんでした」
すぐさまどけ座をした。花音は元ヤン。そんなやつに一般人でどちらかといえばひ弱な部類に入る俺がかなうわけ得ないのだ。
今でこそどちらかといえば清楚な部類に入るが、こんなふうにたまに昔に戻ることがある。
ちなみに一回だけ花音のストレートを食らったことがあるが、一週間俺は動けなくなった。それほどまでに力が強いのだ。
「ふん。どうせ心のなかではどうせ申し訳ないなんて思ってないくせに」
「いや思っているよ。そう思わないといつ俺の体が動かなくならないかわからないからな」
「なに?私のことゴリラなんて思っているの」
「ああ……いえ違います。美しい脳筋ゴリラ……じゃなくて人間だと思っています」
「よし。表出ろ。今回は私が介護なんてしてあげないから頑張ってひとり暮らししろ」
「ごめんなさいゴメンナサイ……あっちょっと、そんな怖い顔しないで…早くその力を込めた拳をおろして。早く!…ちょまって襟首掴まないで。ほんとに。ゴメンナサイ反省してます。だからその握りこぶしをおろして……」
「…………………」
そしてそのまま花音は全く俺の言っていることに耳を貸さず。そのまま拳を振り下ろして……。
「ちょっと何やってるの?」
いつまで立っても衝撃が来ないので頭を上げて花音の後ろを見る。そこにはなぜか。
「…会長……どうしてここに?」
どういうことだここには最初から俺と花音だけだったのじゃないのか。頭がこんがらる。この状況はどういうことなのか分かる人がいたらおしえてほしいものである。
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作者的には次回作を作るならこの女友達みたいなキャラ設定で作ろうかなって感じです。
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