天使への贈り物

はらりと堕ちる

それは真紅の羽


天使は純白の羽をもち

地上に舞い降りた


だが天使にとって

地上は苦痛となる

次第に天使は色を失い

大きく広げた翼も

僅かに形を残すのみ


最後に触れた花は

天使の指に色をつけた

輪を描くように広がり

羽までも真紅に包み

ふわりと堕ちた


花は憐れな天使へ

最後に贈り物をした


その花びらは幾重にも

その棘は鋭くて


薔薇と名を呼んだ



2006.11.11~2012.07.04

リクエスト。『薔薇』をモチーフにした詩。

4作品。4000ヒット記念。

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