第14話 部長の化学は爆発でした

 僕が初めて部長を見たのは、新入生への部活紹介の時だった。


「化学とは実験であり、実験とは好奇心の爆発だ!」


 体育館のステージに上がった部長はそう叫びながら、容器に入れた小麦粉を携帯ガスバーナーに吹き付けた。


 粉塵爆発。


 派手な火炎放射を放った部長は即座に教師に連行されたが、それはもう手遅れで、その日の放課後に僕は化学部の扉を叩いていた。


 火炎放射を放つ部長の笑顔。


 その残影はまだ僕の目蓋の裏に焼き付いている。

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