第11話 部長がアホなので返す刀で斬り返しました

「どんな告白を考えてるんですか?」

「とっておきを考えた」


 諦念を噛み締めながら訊くと、部長は自信に満ちた顔でそう答えた。もはやデジャヴしかない。


「君といると私の脳内にドーパミンが溢れるんだ」

「却下」

「なんで!」


 アホ即斬。


「告白に脳内伝達物質の話をする女子なんていますか?」

「事実は正確に伝えるべきだ!」


 部長の抗議に首を振り、


「事実はひとつでしょう」


 僕は部長の眼鏡の奥の目を見て言う。


「好きです」


 好きだ。

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