2023月1月

四十一頁目

ほらほら

足元ばかり見ていると

落とし穴ばかりに

目がいってしまうよ

 

顔を上げて陽を受ければ

何も見えなくなるから

目を閉じて仕舞えば

きっと浮かんでくるよ

 

それが何なのか

ほらやってごらん

 

 ⌘

 

とどかない

とどきたい

 

みていたい

みたくない

 

くらやみに

ひかるもの

 

あかるみに

さらすもの

 

 ⌘

 

あなたの可愛らしい靴は

手に取るようにこの胸にあるのに

足音が思い出せなくて

わたしは忍び歩きをするの

それが聴こえるかもしれないから

どこからか

もしかきっと

 

 ⌘

 

やあやあ

嘘ばかりの笑顔を貼り付けて

ご苦労なことです

嘘ばかりの涙と

どちらもお持ちとは

なんとも器用なことです

 

 ⌘

 

あしたのよるにむかって

わたしはあさをむかえる

 

おひさまもおほしさまも

わたしをみていてくれる


ちいさなわたしがもてる

ほんのすこしのこころに

 

それはつめたいぬくもり

きらきらこぼれおちてく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る