三十四頁目

取り去ったと思っていたすべてに

落ちる水滴を見てはじめて

こころを偽っていたことに気づく

けれど歩むの

それを振り払って

濡れた指先をかくして

 

 ⌘

 

あなたはだれ

だれなの

うそばかり

ゆびさきから

世界をつくっている

あなたはだれなの

 

 ⌘

 

とうてい届かない

顔を向けることすらできない

けれど俯いて

頭のなかに出来上がるそれのほうが

ずっと残酷

 

 ⌘

 

抱いて欲しいなんて思っていない

降り注ぐ嘘の言葉も要らない

そんな偽りの笑顔で

わたしを観ないで

 

 ⌘

 

星がきれいだねえ

酷かった雨もないし

きっと今夜は

優しい月の夢をみるよ

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