第132話 入場 3
「さぁ、次の代表者は、
ん? メタルドール? 聞き慣れない言葉だが……、要するにロボットということなのか? どこからどう見てみ人間にしか見えないぞ?
やってきたのはメイド服を着たお嬢さんといったところだ。しかもやたら可愛い。
あれがメタルドール……、うぅむ、歩き姿は人間そのものだ。あれがロボットだとは……。
「造られた精神、造られた身体、そして、造られた強さは果たしていかほどなのか! ローファンさんはどう見ますか?」
「えぇ、この機械人形の国というのはですね、大陸の端っこにある島なのですが、その昔、大賢者と呼ばれた者が住んでおりまして、そこに科学者なる者達を集めてお掃除や生活の世話などのお手伝いのために創り出したのが最初のメタルドールだったそうです。そこに、
「むむ? では、彼女は大賢者を超える力を持っている、そういうことでしょうか?」
「それは間違いないでしょうね。一体どういう攻撃手段を持っているのか? 全く想像もつきません! 彼女の試合を期待して待ちましょう!」
「得体が知れないわけですね。これは期待してしまいます!」
「次の代表者は……、古代の大森林より、
ドライアド……、森の妖精がこんな所に来るとは……。
「さぁ、普段は森から出ることのない森の妖精、ドライアド! 初めて見る方も多いのではないでしょうか? 果たして彼女の望みとは? この闘いに身を投じてしまった彼女を待つのは生か死か? ローファンさんはどう見ますか?」
「いやぁ~、私も永い間生きておりますが、ドライアドを見るのは初めてなんですよねぇ! なんせ、森から出てきませんから! 古代の大森林はゴーレムやらドラゴンやら兎に角強いモンスターの宝庫なんです! 中心部に辿り着いた天使なんて一人もいないですからね! ただ、古代の大森林を管理する神から、植物を自在に操る事が出来ると情報をいただいております!」
「お? それは楽しみですねぇ! 初めて見る植物を操作するスキルということでしょうか! 果たしてこのトーナメントで通じるのか?」
「次の代表者は……、蛇の国代表! ニュート!」
……、アイツか……。
思わず握り込む手がより力を増し、ギリギリと音を立てる。
「さぁ、お次の代表者は蛇の国から、スネークマンの参加です。一見、普通の蛇人に見えますが……、ローファンさん。これは一体?」
「えぇとですね。彼の棲む蛇の国というのはですね、ヒュドラがとにかく多く棲息しているんですね。その辺の雑魚がもう小さいヒュドラですから! 兎に角レベルは高いですよ! しかも彼らの得意とするのはなんといっても毒と酸ですね! あまりの濃厚な毒に全ての物質を溶かすといわれる強烈な酸を吐き出すのが得意なんですよ! いやぁ、近づきたくないですね!」
「え? ……、そんなに凄い種族だったんですか?」
「もちろん! 蛇の国はヒュドラを倒せないと近づけないんですが、以前、天使達が調査に行ったときはほとんどの者が毒殺されてしまいましたからねぇ……、ロクに調査されていないんですよ。天使達にとって未踏の地の一つですね!」
「えー、私も調査を依頼されたらすぐに逃げたいと思います!」
「次の代表者は! 巨人族の国代表! ギガース!」
地響きがズシーン、ズシーンと鳴り響き、地面が揺れる。
デカい! あんな奴が代表なのか!
見上げるほどの大きさは10メル以上ありそうだ。こんなデカい奴がいたのか!
「さぁ、巨人族代表のギガースですが、ホントに大きいですね!」
「えぇ、まさか彼が来てくれるとは思いませんでした! この巨人族ですが、ドラゴン族の天敵と言って差し支えないでしょう! いつもケンカしてますからね! 私の生まれる前からずっとドラゴンとケンカしていて、未だに決着が着いていないそうです! その実力は言うまでも無く”強い”の一言に尽きます! 大地の魔法や鉄球のついた棍棒、モーニングスターを振り回すんですが、そのサイズたるや、恐ろしいものがありますよ!」
「ドラゴン族とケンカって……、それは強さに期待できそうですね」
「はい、最早伝説となっているドラゴン VS ジャイアントのケンカですが、一応、ドラゴンが勝つ時代もあればジャイアントが勝つ時代もあるとのことで、果たして、今代の勝負、結果がどうなるのか? 私も非常に楽しみにしております!」
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