第2話
「美味いな、これ!」
口に入れた途端、そんな言葉が飛び出してしまう。
私が日頃買って食べる肉より、明らかに上等なものだった。
「そうだろう? なにしろ100グラム2,000円の高級肉だぜ!」
驚きの価格だ。私がスーパーで見かける肉は、100グラム1,000円までだから、その2倍ではないか。
しかも、100グラム1,000円でも『スーパーで見かける』だけであり、私自身が買う肉は、それより何ランクも下の肉ばかりだった。
「おい、中野。どうしたんだ?」
「何かの景品で当選したのか?」
「せっかくの肉、独り占めしなくていいのか?」
友人たちも不思議がって、次々と質問を浴びせかける。
しかし中野は余裕の笑顔で、首を横に振っていた。
「景品じゃないぞ。ちゃんと自分で買った肉だ。しかも毎日のように食べてるんだぜ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます