第4話 銃の技

今日から愛情配布団体として働くことになった。高校も辞めてしまった。しっかりやれるか不安だけどがんばろう!

「香ちゃん!一緒に事務所行こ!理事長に挨拶しよ!」

「はい!今行きます!」


ムーアさんの運転で事務所に着いた。3階建てで少し大きい。

ガチャッと扉が開いた

「あらー、貴方が香さんね。草野香さん。さあ、入って。」

この人が理事長だろうか。若い。

中に入ると大きな椅子があった。そこに座るように言われる。

「香さん初めまして。私がこの団体の理事長をしています。花山愛と申します。」

「よろしくお願いします。草野香です。」

こちらが挨拶をすると、愛情配布団体についての説明が始まった。

愛情配布団体は国からお金をもらって働いているらしい。公務員だ。

そして、ハートについての説明もあった。

ハートを処方されると心が愛情でいっぱいになるらしい。だから悪いことができなくなる。

ハートを処方する方法についての説明もあった。ムーアさん達が使っていたボールや注射の他にもあるのだ。銃を使うと良いと言われた。

また、一緒に働く人は日によって変わるらしく、私と同い年の子があと4人いるのでその子達と頻繁に組むことになるだろうと言われた。

他にも、服装は自由とか、いろいろ話があった。

まずはすぐ現場に向かうのではなく、銃の技を身に付けることから始めるらしい。

今から練習だ。射撃場に向かうよう指示があった。

射撃場に行くと他にも人がいた。

「あ!クサノコウだ!」

「こら、草野香さん、だろ。」

身長が2mはありそうな女の子と、私と同じくらいの身長の女の子がいた。

「こんにちわ!私は花火瓜!香さん小さい!紅ちゃんと同じくらい!」

「おいおい。初対面で小さいとか言うなよ。俺も傷付くぞ。俺は落葉紅だ。俺ら同い年だぞ。よろしくな。」

「よろしくお願いします!」

同い年のうちの2人か。あと2人はどこだろう?

「あと2人、同い年のやつがいるんだ。今日は現場に出てて会えないから、後で挨拶してくれ。」

「分かりました。」

すると、銃の使い方を教えるからこちらにおいでと花火さんに言われた。

銃の弾がピンクだ。中にあのときの同じピンクの液体が入っている。

「銃を使うときは、ここを押すのー!」

花火さんに教えてもらう。

やってみると結構難しい。的から外れてしまう。

「っく!」

出来た!はじっこだけど的に当たった!

「香さん、もう当たったのか。すごいな。でも最終的には真ん中に当てなきゃだぞ。」

「はい!」

落葉さんに言われた通り、真ん中に当てなければ。

うっ!当たらない!

「ほら!今日はそこまで!」

後ろからムーアさんの声がした。もう帰る時間か。

「花火さん、落葉さん、ありがとうございました!」

「また会ったらよろしくな。」

「またね~!!!」


「ただいま帰りました。」

ムーアさんと家に帰るといい匂いがした。強山さんの作る料理だ。艶美さんは今日は夜まで現場らしい。

「いただきます。」

3人での食事だ。おいしい。でも艶美さんがいないからか少しさみしい。

「あの、明日って4人で夕飯食べられますか?」

「明日は食べられるよ~。へへっ、艶美がいないとさみしいか。」

「でも、たまに夜勤はある。」

たまに夜勤はあると聞いて少しさみしくなったが、明日は4人で食べられるのだと思ったら嬉しくなった。









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