変わったね、変わってないよ。
真宙
第1話 新しい春、もう一度
「ねぇねぇひな、かえちゃん雰囲気変わったよね、」
「楓?変わってないよお!昔のまんま!」
春。出会いと別れの季節。とはよく言ったもので、かくいう私も新しい出会いに胸をときめかせていた入学式の朝。家を出るとそこには小学校から何ら変わらないメンツが当たり前のように立っていた。
「よぉ、陽菜。入学式から寝坊か?」
「隼人こそ!なんで入学式からバッシュ持ってるの!」
「今日から練習参加するからに決まってんだろ?楓だって持ってきてるだろ?」
「おー、そんなことより陽菜のせいで早く行かなきゃまずいと思うよ。」
「えぇ!2人とも持ってるなら私も持ってくる!!」
「「あとにしろ!!」」
そう言って私は2人に連れられるようにして半ば強引に高校生活の第一歩を歩み始めたのであった。
まさか3人とも同じ高校になるなんて、考えてもいなかった。だけどなってしまったからにはきっと、中学校までと何一つ変わらない日常が待っている、そう思うと実に退屈で欠伸が出そうだ。
そんな欠伸で緩んだ頬を誤魔化そうとする陽菜は、これから先、3人の関係が大きく変化し、それを軸にして陽菜の周りの環境もまた大きく変わっていくことになるとは予想もしていないのである。
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