着せ替えしたくてフルダイブ。少女の姿でMMO
由月みる
1話 ただ着せ替えがしたくて
フルダイブ型VRゲーム。
リハビリなど医療用の目的で開発された技術が娯楽の意味合いを持ったもので、一般に普及した事で機材は以前よりも小型化し、安価となった。
手足を固定するパーツとヘッドセットが備え付けられたゲーミングチェアのような形をしたハードは、フルダイブをしない人の間でも、キーボードやマウスに代わる新しいデバイスとして浸透していた。
かく言う俺も、フルダイブでゲームをした経験はなく、
そんな
まぁ初期ロットなんて言い方をしたが、ただ単に初めての試みで人数制限が掛かっているだけだ。入手方法もダウンロードなので、箱やカセットにプレミア価格が着くなんてことはない。
そんな訳で、サービス開始して数日経ってのキャラクターメイキング。このところちょっと忙しかったのだ。
前述の通り今まで俺は俯瞰視点、つまり自分のキャラが見えるゲームを続けてきた。そしていつも女性キャラを使っていた。
女性を装っていた訳ではなく、常に視界に入るキャラクターは目の保養となるべしと思っていただけだ。どうせならむさ苦しい男よりも可愛らしい女の子を見ていたい。
そんないつもの癖と、あまりにも充実した
そして今、
「そういえばこれ、フルダイブじゃん」
目の前には
とりあえず確認画面を閉じる。
作業画面の少女と目が合う。
光をよく取り込む宝石のような蒼い目。
背中に流された、淡く自然な色合いの金髪。
透き通るような白い肌。
背は高くなく、どちらかと言えば華奢。
ついでに声も高めで、可愛らしくしてある。
遠目に眺めて愛でる対象としては、我ながら最高の出来だと思う。
ちなみに幼女ではない。ちゃんと少女だ。
この中に、入る?
それはちょっとハードルが高い。
それにチャットの文面で話すようなゲームなら何の問題もなかったが、
それはちょっとどうなんだろうか。
少なくとも、女性になりきるという選択肢はない。性格上無理があるし、何よりゲームを楽しめるかどうか。
ならアバターを男性で作り直せば良いでは無いか。
……この
それはそれでどうなんだろうか。
どちらかと言えばありきたりな要素を詰め込んだ訳だが、目元や口元、その他色々な部分に長時間の微調整を重ねている。
苦労の末に完成し、既に愛着が湧いていた。
もう二度とこの少女とは会えないかもしれない。
それに、どうせならデフォルト以外の服を着ているところも見てみたい。
初めてのフルダイブを前に、実は興奮してたのかもしれない。
前日寝不足だったが為に、早めの深夜テンションが訪れていたのかもしれない。
そうして俺は、
ーーーーーーーーーー
あとがき(というより前書き?)
この作品は、「このままじゃ何も書かずに半年、ひいてはあっという間に1年が経ってしまう!」と、危機感を少し感じた作者が「とりあえず何か書いてみよう」と書き始めたものです。
主人公の名前は決まっていません。
登場人物も決まっていません。
世界観だって決まってないし、あるのは
今後、ストーリーから何から、全て行き当たりばったりで進んでいきます。
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