第20話 暗闇の道

何も見えない

暗闇の道を

歩くには

あなたの声を聞き

繋いだ手を離さなければ

この道は

歩いてゆける


もしも

あなたの声も無くて

繋ぐ手も無かったら

私は道の先

見えなくて

手探り手探り

歩くしかない

長い道長い時間

疲れ果てても

歩くしかない

手のひらに傷つけて

ぼろぼろになっても

歩くしかない

暗闇の向こう側

小さな光があると信じて


暗闇の

その怖さより

あなたの声がない

温もりがない

その方が

もっともっと辛い


だから

私は

あなたが暗闇を歩く時

道しるべにはなれなくても

声を出して

手を握って

あなたの傍にいるよ

何の役にも立たないと思うけど

一人よりも二人がいいから


暗闇の道は

何よりもあなたの

声と

温もりが嬉しい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る