学校帰りの公園で、こっくりさんを拾いました

紅華@くれは

第1話 ベンチに座る彼女

 俺こと東雲しののめまこと(16)は、高校二年生になったばかりの陰キャだ。今日は日直だったため、いつもより帰るのが遅れてしまった。何故日直は男女でやるのだろうか。全くもって理解できないな。


「喉が渇いていたから何か飲むか」


 そう言って近くの公園に寄り、そこにあった自販機で麦茶を買って少し休もうとベンチに座ろうとしたところ……


「先客がいたのか…」


 そこにはもっちりとした薄ピンクの肌に、一本一本が絹のように白く輝く髪、空を移しているかのような澄んだ綺麗な水色の瞳。それに見たところ、同じ歳だろう。


 そんな彼女に俺は一目惚れしてしまった。


 しかしベンチは一つしかないため、すぐに首を横に振ると、ダメ元で聞くことにした。


「隣、座っても良いですか?」


「……………」


 あれ、無視かな?もう一度聞いてみるとするか。


「すみません、隣座っても良いですか?」


 今度は気付いたのかこっちを見てくれた。あれ?なんかめっちゃ驚いた顔されてるんですけど。


「お主、儂のことが見えるのか?」


「………はい?」


 それが彼女、別名『こっくりさん』との出会いだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る