第11話 試練

「ここが今回のフィールド……」



柚月と紗織は学園の敷地内にある1つの山に来ていた。


「いくら田舎にある学校だからって、敷地に山が2、3個あるってどーなの?」


その広大さに今更ながらため息がでる。


「他にもさ。廃墟とか結構あるらしいよ」

「それ、ほんと?」

「ほんとほんと」


紗織の言葉に


「廃墟かぁ……でもって、今回わたしたちは初めて参加するのよね」


サバイバルゲームに。


フィールドを見ている柚月は


「…この学園ってどんだけ金持ちなんだろう……」


ポツンとつぶやいた。


「毎年、入学希望者が増えてるらしいよ。その人たちのご両親とか、親族とか。OBからの寄付金もあるんじゃないの?」

「寄付金ねえ……」


うちはムリだな。普通のサラリーマンだし。


「これってなんの試練だと思う?」

「なんの試練なのかな……」


柚月の問いに


「たぶんメンタル? 《己に勝つ》…みたいな?」


紗織から


どうでもいいような答えが返ってきて。



ーーそこ、疑問形なのはどーして?



つい、ツッコミそうになって


柚月は言葉を呑み込んだ。


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