第8話 学園の名前


「……」


ーーな、なんで渉くんがあの中に……?



なにも言わない柚月に


「あ、そうそう。入試の時の実技ってシューティングセンスを見ていたんだと思うわ」


何気なく、紗織が言う。


「…え?」


ーーしゅ……


「…シューティング……?」


柚月は彼女の顔をあらためて見つめる。「…シューティング…って?」


「だからシューティングよ。ほら、サッカーのシュートと同じ意味」

「…なんで学校でシュートをする必要が……?」



ーーしかもその実技って……



「なんの意味が?」


意味のわからないような柚月に


「だってここってサバゲー重視の学校じゃん」


あっけらかんと、紗織が答えた。


ーーさ……


「サバゲー?!」

「そ。サバイバルゲーム重視の学校」


彼女が呆れた顔で続ける。「逆にSGって名前、柚月はなんだと思っていたの?」


「え…SG……?」


言われて柚月は考え込んだ。「ただ単純にカッコいい名前だと思ってた……あ!あの、試験の最後で……」



ーーだから、実技で射的のようなことをさせられたのか……?



今、謎が解けた。



「ほんとに知らなかったの?!」


紗織が驚きの声をあげる。


「うっそ? ほんとに?!」

「こんな学校他にないのに?!」

「お、おい、コイツ、ここの学校のこと知らなかったらしいぞっ?!」

「えっ?! それ本気で言ってんのっ?!」



周りの生徒たちからも奇異の目で見られて


柚月は下を向いた。



「ここって中学なのに、成績悪いと退学させられるのよ?」

「退学っ?! ちゅ、中学って義務教育じゃ……?」








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