スペステクリア報告
俺はダンジョンから帰還後、トマドイの指輪を付けて、もう一度入ったらどうなるか確認してみる事にした。
結果、3階層のセーフティゾーンに辿り着いた。ボス部屋に入っても、先程帰還した時と同じ状況だ。
ここに来たついでに先程書き忘れたクリアメッセージを表示させ、攻略ノートに書き写した。
内容は覚えていたが、家族に話すときに見せた方がいいと思ったからだ。
書き終えたらダンジョンを出て、テルーゼの町まで走り、家に真っすぐ帰って来た。
家族に報告する為だ。
アーティファクトとか魔力結晶とか聞きたい事もあるしね。
特にマジックバッグはこの世界で他にもあるのかとか、他にあれば使い方を聞いておきたいからな。
そして、いつものリビングで話をする為に、飲み物の用意がされたので、俺は話し始めた。
「無事に戸惑いの森ダンジョンのスペシャルステージをクリアする事が出来ました」
まずは無事にクリアする事を報告する。
「おお、流石リオンだな。クリアする事が出来たか。白銀の剣を使うからデビルゴブリンは大丈夫だと思ったが、3階層も勝てたのだな」
「リオンちゃん、すごいわ。もう一般冒険者よりも強いわね」
コウガとマリーはもちろん、ミランダとリカルドも一緒にとても褒めてくれた。
久しぶりにほっこりした気分を味わった後に、アーティファクトの事を聞いてみた。
「お父様、アーティファクトをご存じですか?今回、初回クリア報酬でアーティファクトを手に入れたのですが」
俺はアーティファクトを手に入れた事を伝えながら、攻略ノートに書いたクリアメッセージを見せた。
コウガとマリーがノートを見て考え込んでいる。
しばらくして、お互いが顔を見合わせて頷いてから話始めた。
「アーティファクトは知っているが、これは国で管理されているものがほとんどだったはずだ。個人で持っている人もいるが極僅かだな」
「そうね、アーティファクトは騎士団や魔術師団にも貸し出しされる事があったけど、持っている人はいなかったはずだわ」
アーティファクト自体はあるみたいだな。スペシャルステージが発見されていないみたいだったから、もしかしたら知らないかもと思ったが別で入手可能のようだ。
「上級貴族やランクの高い冒険者が持っている可能性が高いだろうな。俺も詳しく持っている人は分からないが…………リオン、先程アーティファクトを手に入れたって言ったか?」
コウガが話してる途中で何かに気付いたようだ。どうやら、さっきの話を思い出したようだな。
「アーティファクトのマジックバッグを手に入れました。知ってますか?それと、もしかしてアーティファクトを手に入れたら国に渡さないといけないですか?」
さっき、アーティファクトは国で管理されているって言ってたけど、もしかして没収されちゃったりするのだろうか。
「マジックバッグは聞いた事はあるが、装備品だとは知らなかったな。確か魔法袋と性能が似ていて、魔法袋よりもかなり優れていると聞いた事がある」
「それとね、アーティファクトを手に入れても国に渡さないといけないって事はないから、安心していいわよ。そんな事をしたら、冒険者の人たちが怒って暴動を起こしちゃうわ」
詳しく聞いてみると、アーティファクトは4つの大陸の様々な国々でどのようなものがあるか情報共有しているらしい。その中の一つにマジックバッグがあったとの事だ。ただ、詳しい事は覚えていないらしい。というか、アーティファクトの情報は当時の騎士団長に聞いたらしいのだが、騎士団長も詳しく教えて貰えなかったようで、おおまかな説明しか聞いていないとの事だ。
他のアーティファクトには、相手のステータスをステータスプレートよりも詳細に見れるメガネ、状態異常にかからなくなるネックレス、魔法を使った時に必要魔力が少なくなる腕輪、移動用や戦闘用の召喚獣を呼び出す指輪など、装備品が多いらしい。装備品ではないものでは設置して永続的に効果が発揮するものがあり、中でも設置した場所にお互いに行き来出来る設置型の転移陣があるらしい。
ただ、アーティファクトの発見自体がここ最近でも10年以上前との事で、それより前になるとそれこそ数十年前らしく、アーティファクトの発見自体が珍しいらしい。
アーティファクトの発見は主に上級ダンジョンのボスを倒した宝箱から稀に手に入る事は分かっているらしい。それを夢見て冒険者たちがダンジョン攻略を頑張るそうだ。
そして、アーティファクトもそうだが、ダンジョンで手に入れた物を国が奪っていくような行為は原則しないそうだ。国お抱えの騎士団や魔法師団にダンジョン攻略させたものを納めさせる事はするが基本は手に入れた人たちで分配していくという話だった。
アーティファクトの事をある程度教えて貰ってから、魔力結晶の話を聞いた。
しかし、魔力結晶に関してはあまり詳しいことは分からなかった。
唯一分かったのは、ボスモンスターを倒した時に、魔石の変わりに魔力結晶がドロップする事があるらしいという事だけだ。
それから魔力結晶という事ではないが、王都には魔法に関係する研究所があるらしい。その中で魔力結晶も研究しているかもしれないと教えて貰えた。
なるほど、将来、冒険者を引退した後に研究員になるのはいいかもしれないな。一応そういうのがあるとだけ覚えておこうかな。まだ冒険者で旅立てるか分からないけど。
そして、獣殺しの短剣を金箱からドロップした話をした。
家族全員その強さに驚いていた。やはりこの武器はかなり強いようだ。
一応、マジカルスカートを手に入れた話もしたが、そのまま持っているように言われた。
今後、一緒にダンジョンへ行く仲間に使って貰うでもいいし、使わないなら売ってもいいとの事だ。
俺としては、マジックバッグという無限に収納できるアイテムを手に入れたので、自称コレクターとしては1つは取っておきたいところだ。よって売るのは無しだな。
学校で女の子の仲間が出来たら上げてもいいかもしれない。やはりパーティーの戦力は上げておきたいからな。
それから、クリアメッセージの内容をいつかのように国王様に報告してもいいか聞かれたので「大丈夫」と答えておいた。
何でも、他の初級ダンジョンで俺の報告したスペステの解放条件を達成しても何も起きなかったらしいのだ。
偽情報と疑われることはなかったらしいが、もしかしたらダンジョン毎に条件が違うのではないかという話になったらしい。
そこに、クリアメッセージにあった「ここ以外のダンジョンにもスペステはあるから、それぞれの条件を見つけて」という一文を見て、ダンジョン毎に条件が違うと発覚した為、国王様に報告したいようだ。
俺としては情報が疑われるのは嫌なので、すぐに報告して下さいとコウガにお願いしておいた。
何でも、近々戸惑いの森ダンジョンへ騎士団を数名派遣して、ここなら確実に条件が一致しているので実際に検証しようって話にもなっていたらしいが、報告次第でどうなるか分からないようだ。というか、こんな事で騎士団を派遣するんだなぁと不思議に思ったよ。
ある程度、話終えたらいい時間になった為、昼食になった。
昼食を食べ終えてから、俺は部屋に戻りマジックバッグの検証を開始した。
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