ステータスの確認

「ただいま戻りましたー」


「リオンちゃん、もう帰ってきたっっっって、きゃああああ、どうしたの?そのローブ。リオンちゃん、似合っててかっこいいよー」


「うぶっ」


 マリーが急に変なことを言いながら抱きついてきた。もう少し落ち着いて欲しいぞ。

 中二心を忘れていない俺から見たら、このローブはすごくカッコいいのだが、どうやらマリーには刺さり過ぎたようだな。


「リオン、おかえり。新しい防具を手に入れたのだな。かなり良さそうなローブだが宝箱から出たのか?」


「お父様、ただいま戻りました。宝箱から出たローブです。詳しくはお茶をしながらでどうですか?」


 コウガに言った事だが、マリーが抱きつくのをやめて、俺の手を取ってリビングへと連れて行く。コウガは後ろから俺たちを見ながらついてくる。マリーに抱きつかれるのは、恥ずかしいから助かった。

 リカルドとミランダに挨拶をした後、ローブ姿について似合っていると褒めてくれた。

 全員に見て貰ったので、装備品は魔法袋にしまった。

 その後、ミランダがお茶の用意をしてくれてから、俺は話を始めた。


「ゴブリンキングを倒した後に、初めて金箱が出ました。その中にこのダークネスローブが入っていました」


「ダークネスローブか、聞いたことないな。マリーは知っているか?」


「いいえ、聞いたことないわね。金箱からしか出ないローブかも知れないわね」


 金箱からしか出ない装備もあるのか。

 それに二人とも知らない防具みたいだな。もう少し詳細を話しておくか。


「ダークネスローブは耐久力プラス20、抵抗力プラス25上がるローブですね。特殊効果で魔力を流している間、気配を少し薄くするとあります。その間、抵抗力もプラス5しますね」


「す、すごいな。中級ダンジョンでも十分使っていける装備だぞ」


「確かにね、その辺の鎧より強いわ」


 思った通り中級ダンジョンでも使っていけそうだな。

 とりあえずメイン防具の更新は当分やらなくて良さそうで助かった。

 装備揃えるのに結構お金かかるからな。今のところ防具は全部宝箱から出たのを使ってるけどね。


「ローブは分かりました。当分これでいきます。あと聞きたい事があって、水魔法のオーブをもう1つ手に入れたのですが、オークションに出す伝手はありますか?」


「えっ、水魔法のオーブがもう1個出たの?」


「魔法系のオーブが被ったのか、こっちもすごいな。オークションへの伝手だが、知り合いの商人がいるから今度一緒に会いに行こう。彼なら王都に行くこともあるからオークションへの出品もしてくれると思う」


 商人の知り合いか。これは俺も仲良くしておく必要があるな。

 というか、欲しいものが結構あるからお願い聞いてくれるといいんだけど。


 その後はもう1つの水魔法のオーブを家で持っておくか聞いてみたが、コウガが「リオンが手に入れた物だから、自分の好きなようにするといい」と言ってくれた。

 それなら迷いの森の魔物討伐をしていて、信頼できる人に使っては?と提案したが、キッパリと断られた。

 何か理由がありそうなので、とりあえずは俺が持っておく事にした。


 それから少し話をしてから、マリーとミランダが今日の夕食を作りに戻った。どうやら、俺が帰ってくる前まで準備していたようだ。

 その間にお風呂に入るように言われたので、お風呂に入った。


 お風呂から出て、コウガと話している内に夕食が出来たようだ。

 食堂に向かうと、朝と同様に豪華な夕食が並べられていた。

 夕食は結構がっつり系が多い感じだ。

 俺は肉を食べてはおいしい、野菜を食べてはおいしい、スープを飲み、揚げ物を食べてはおいしいと何に対してもおいしいと言った。

 語彙力大丈夫?と思われるかもしれないが、子供だから変ではないはずだ。

 しかし、ここには優しい家族しかいない。

 マリーとミランダはうれしそうに良かったと言ってくれて、コウガとリカルドは優しい目で見守ってくれていた。


 夕食後も家族との話は賑やかなものだった。

 一通り話終えてから、改めて家族みんなにお礼を言って、寝室に戻った。


 寝室に戻った俺はテーブルにダンジョン攻略用のメモノートを取り出して、検証結果をまとめていく。

 まずは最近手に入れた称号と特殊スキルについてだ。鑑定してみる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

称号

 【常勝】ダンジョンを攻略し続けた者に与えられる称号

  効果:特殊スキルの追撃を覚える 体力・魔力+10、攻撃力・耐久力・敏捷力・精神力・抵抗力+5

  取得条件:同一ダンジョンを100回クリアする。


特殊スキル

 追撃:同一対象に連続で攻撃を10回すると10回目のダメージが50%増える。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 常勝の称号は同一ダンジョンを100回クリアで取得できる。当然俺は毎日10回以上クリアしているので10日もかからず取得した。


 特殊スキルの追撃については、検証出来なかった。素手で殴っても木剣で切りつけても、10回も攻撃せずにゴブリンキングを倒してしまうのだ。もっと強い魔物が現れたら、詳しい検証をするとしよう。

 検証は出来なかったが、この特殊スキルは長期戦やボス戦で輝くスキルだな。同格か格上の相手には、かなり使えるぞ。

 俺はメモノートに検証結果の情報を追加で書いていく。

 次はステータスだな。まずは今のステータスを確認しよう。『ステータスオープン』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:リオン・スペンダー

年齢:10歳

種族:人族

性別:男

状態:普通

職業:鑑定士

ステータス

 レベル:8

 体 力:293/293

 魔 力:1198/1235

 攻撃力:139

 耐久力:97

 敏捷力:161

 精神力:86

 抵抗力:86

スキル

 剣術LV10、体術LV10、短剣術LV6、槍術LV1、斧術LV1、調合LV1、錬金LV8

魔法

 魔力操作LV10、生活魔法LV8、水魔法LV8、風魔法LV1、光魔法LV1

エクストラスキル

 鑑定LV10、身体強化LV10、魔力回復LV10

特殊スキル

 魔力超回復、超剣術、超体術、スキルの達人、魔法の達人、エクストラスキルの達人、ダンジョンの希望、追撃

称号

 【伯爵家次男】【魔力ハングリー】【剣術の極み】【体術の極み】【スキルマスター】【魔法マスター】【エクストラスキルマスター】【輝く原石】【常勝】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ステータス(前回 → 今回)

 レベル:4 → 8 +4

 体 力:234 → 293 +59

 魔 力:1158 → 1235 +77

 攻撃力:114 → 139 +25

 耐久力:71 → 97 +26

 敏捷力:112 → 161 +49

 精神力:52 → 86 +34

 抵抗力:52 → 86 +34


 スキル:短剣術LV6追加、槍術LV1追加、斧術LV1追加

 魔法:水魔法LV4→LV8、風魔法LV1追加、光魔法LV1追加

 特殊スキル:追撃追加

 称号:【常勝】追加


 前回から4つもレベルが上がってしまったな。周回しすぎた感があるな。

 それにしても、アルスが1年間でレベル5までしか上がらなかったのに、ボス周回でこれほど上がってしまうとは。これはイモムーとゴブリンの経験値が相当低いと思われる。


 レベルアップ分も含め、称号を手に入れるとステータスの上昇がすごいな。

 それに今回はスキルと魔法も新しく覚えたし、スキルレベルも大分上がったからな。さらにまだまだ上げられるスキルも魔法も残っている。まだまだ強くなれるぞ。


 あとは年齢によるステータス上昇だな。

 今まで年齢が1つ増えると少しずつだが、ステータスの値も増えていた。

 これは昨日のステータスの基本能力値と今日のステータスの基本能力値をステータスオープンの表示切り替えで確認して導きだした。

 そして、この上昇は10歳が最後だと思っている。コウガやマリーを鑑定で確認したので間違いはないはずだ。

 実際の基本能力値とは基礎値と努力値とに分かれおり、基本能力値から努力値を引いた基礎値が純粋な初期ステータスになる。

 これは10歳以降でレベルが1の時のスキルや魔法などステータスが一切上がっていない状態の値になる。

 そして10歳の基礎値が体力と魔力が20、攻撃力、耐久力、敏捷力、精神力、抵抗力が10となっている。

 そこからレベルが1上がると固定で能力が上昇している事が分かった。


 基礎値レベル1 → 基礎値レベル2

 体 力:20 → 25 +5

 魔 力:20 → 23 +3

 攻撃力:10 → 12 +2

 耐久力:10 → 12 +2

 敏捷力:10 → 12 +2

 精神力:10 → 12 +2

 抵抗力:10 → 12 +2


 メモノートのステータス関係の部分も追加で記入していく。

 こうやって見ると、レベルが上がると体力が他の値に比べて大きく増えていくことがわかった。

 逆にスキル関係では体力が上がるのはあまりなく、攻撃力、敏捷力が多く、魔法は魔力、精神力、抵抗力が多いな。予想だが耐久力はスキルの一部で上がりやすいのがあるのではないかと思っている。盾術とかあったら耐久力増えそうだしね。

 そして称号は全体的にバランスよく上がるような感じになっている。


「今日はここまでにしようかな」


 メモノートを閉じて、魔法袋にしまう。

 俺は短剣術のアーツを使い魔力を消費していく。

 ある程度消費したら、ウォッシュとドライを使ってからベッドに入り、眠りにつくのだった。

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