5歳の誕生日

 異世界に来て5年が経ち、今日は俺の5歳の誕生日だ。

 兄アルスの5歳の誕生日には親から木剣をプレゼントされていた。多分俺も今日貰えるだろう。

 そして、今日から俺も剣の稽古が始まると思う。いやー、やっとだよ。待ってたぜ。

 

 ちなみに誕生日に毎回プレゼントが貰える訳ではない。夕食が少し豪華になるぐらいだ。

 5歳の誕生日は親が子供に付いて欲しい職業にちなんだプレゼントを渡すということらしい。

 剣士だったら木剣を与え剣術を学び、それと一緒に生活魔法も学んでいくのがここでの普通らしい。


 ただ、うちは迷いの森の戦力として鍛えている為、模擬戦をしているが、普通は5歳から模擬戦はしないらしい。

 アルスはかなりスパルタに鍛えられているみたいだ。


 あとは[鑑定の儀]の時に10歳の誕生日プレゼントを貰えるとのこと。 

 こちらは鑑定結果によって、役に立つものを与えるそうだ。剣士だった場合は、鉄の剣が一般的とのことだ。

 5歳の誕生日に与えたものと稀に違う職業に付く場合がある為、[鑑定の儀]が終わってから、その足で買いにいくことが多い。田舎に住んでる場合は都会で[鑑定の儀]を行っている事がほとんどだからね。




「リオン様、おはよう。そして誕生日おめでとー」


「ミラさん、おはよう。それからありがとう」


 ノックもなしに入ってきたミランダは朝から元気だな。

 俺も起きてたし、特に変なことしてた訳じゃないから別にいいんだけどね。


「今日は結構早いね、もうご飯かな?」


「そうだよ、リオン様が木剣欲しさに起きてるかなと思って呼びに来たんだよ」


「あはは、その通りで言い返す言葉がないよ。じゃあ、朝食に向かおっか」


 いつもより30分ぐらい早いから何事かと思ったが、そういうことか。というか俺ってそんなにわかりやすいかな。

 確かに木剣が貰えると思って楽しみにしていたけど、そこまで顔に出ていたのだろうか。少し気をつけねば。

 あと、ここ最近になって、ようやく子供っぽく喋るのをやめて普通にしている。5歳ならもう大分しっかりしているよね?アルスがそうだったと思うので変えたのだ。


 ミランダと一緒に食堂に向かうと家族全員揃っていた。いつもはキッチンにいるリカルドもいた。


「おはようございます」


 俺が挨拶をすると、


「おはよう、リオンちゃん。誕生日おめでとう」


「リオン、おはよう。誕生日おめでとう」


「おはよう。リオンも5歳になったからな。誕生日の祝いに木剣を与えるから、これからアルスと一緒に剣の稽古を励むんだぞ。誕生日おめでとう」


「お母様、お兄様、お父様、ありがとうございます。これから剣の稽古に励みたいと思います」


 うんうん、これで心置きなく剣の稽古が出来るぞ。とりあえずは素振りからだな。いつも通りアルスがやっている時間に一緒に頑張ろうと思う。


「リオン坊っちゃま、おはようございます。そして誕生日おめでとうございます」


「リカルドさんもありがとう」


「本日の朝食はマリー様とミランダが朝早くから腕によりをかけて作られております。早速お持ちしますね」


「リカルドさん、お願いします。お母様、ミラさん、ありがとうございます」


「リオン様、お誕生日おめでとうございます。マリー様が張り切って作られてたので、楽しみにして下さいね」


「もうミラったら。リオンちゃん、ママ頑張って作ったからたくさん食べてね」


「はい」


 どうやら今日は朝から少し豪華な食事のようだぞ。たくさん食べてって朝から食べられる量かな?少し不安だ。

 とりあえず、木剣を鑑定してみるか。


「木剣をあちらのテーブルの上に置いてきますね」


「リオンは朝食もとらずに剣の稽古をするかもと思っていたが大丈夫そうだな」


「せっかくお母様とミラさんが腕によりをかけて作ってくれた朝食があるので、そちらを優先しますよ」


「お、おお。そうだな」


「リオンちゃん、やさしい。ありがとうね」


 ちょっと子供っぽくなかったかな。でも、マリーが感動しているから良かったよね。


「リオンとやっと一緒に剣の稽古が出来るね。楽しみにしてたんだよ」


「そうですね、僕もずっとお兄様と稽古するの楽しみでした」


 アルスも楽しみにしていたのだな。そう思いながら、壁際にあるテーブルに木剣を置いた。それと同時に、

 「〈鑑定〉っと」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

武器名称:木剣

状態:良品質

価値:Gランク

特殊効果:なし

詳細:ガグの木で作られたとても丈夫な剣。攻撃力+3

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 おおー。武器として鑑定出来てるよ。何気に武器を鑑定するの始めてなんだよな。アルスの木剣も鑑定しなかったんだよな。

 それ以外に俺の行動範囲の家の中には武器らしい物が見当たらなかったから、どこかにきちんと管理しているのだろう。鉄の剣とかなら鑑定してみたかったけど、今後に期待だな。

 それにしても、ここでもガグの木が使われているのか。相当使い勝手のいい木なのだろう。

 机を鑑定した時もこの木だったし、とても丈夫となっていた覚えがある。


 マリーとミランダの作った朝食はとてもおいしかった。朝だから脂っこいものは控える為、肉系はさっぱりした味付けにしていた。サラダとスープはとてもおいしかった。いつもの固いパンも心なしかおいしく感じた。気分でこうも変わってくるのだなと思った。

 そして、朝の魔力操作もなれたもので、楽にこなした。なぜかというと、とうとう魔力操作がレベル10になったのだ。

 俺の今のステータスはこれだ。


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名前:リオン・スペンダー

年齢:5歳

種族:人族

性別:男

状態:普通

職業:鑑定士

ステータス(基本能力値+特殊ボーナス値+装備値)

 レベル:1

 体 力:48/48(20+28+0)

 魔 力:15/435(52+383+0)

 攻撃力:18(5+13+0)

 耐久力:18(5+13+0)

 敏捷力:12(5+7+0)

 精神力:12(5+7+0)

 抵抗力:12(5+7+0)

スキル

 体術LV6

魔法

 魔力操作LV10、生活魔法LV8

エクストラスキル

 鑑定LV7、身体強化LV5、魔力回復LV5

特殊スキル

 魔力超回復、魔法の達人

称号

 【伯爵家次男】【魔力ハングリー】【魔法マスター】


装備

 武器:なし

 防具

  頭:なし

  胴:なし

  腕:なし

  腰:なし

  足:なし

  アクセサリー(首):なし

  アクセサリー(腕):なし

  アクセサリー(指1):なし

  アクセサリー(指2):なし

  アクセサリー(特殊):なし

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 魔力操作がレベル10になった時に特殊スキルの魔法の達人と称号【魔法マスター】を取得した。

 これは魔法レベルが最大になったから獲得したと考えていいだろう。

 その時に全ステータスがかなり上がったと思われる。取得前をしっかり覚えていた訳ではないが、全体的に5ぐらいは上がったと思う。


 この半年間で体術と生活魔法を重点的に上げた。

 主に朝は鑑定で魔力を使い、夜部屋に戻ってからは生活魔法と体術に魔力を使うようにしていた。

 そしておそらく生活魔法はこれ以上レベルが上がらないかもしれない。

 ここ3ケ月近く使い続けているが一向に上がることがないのだ。

 生活魔法だけ最大レベルが低いのか、他にもあるのかはわからないがとりあえず剣の稽古が始まるまで続けようとして結局上がらなかった為、生活魔法のレベリングはここまでとする。


 あとは身体強化と魔力回復が1レベル上がったぐらいかな。

 ステータスは半年前と比べると明らかに上がった。それも大幅パワーアップしている。

 このパワーアップがある為、剣の稽古をめちゃくちゃ楽しみにしていたのである。

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