第6話 やはり店の店主はOL様達が苦手のようです(2)

 もう一人のお姉さま、片割れの女性ひとがね。


「えぇ~と、貴女イチゴにするならば私は何にしようかな?」


 銀色にピカピカと光り輝くステンレス製の長方形のお皿に一列ずつ綺麗に並んだ数ある。種類あるソフトワッフルを上から下、下から上へと舐めるように見詰めながら。


 自分自身が何にしようかと、シャープな顎に指を当てながら思案を続けている。


 まあ、続けていると。


 キッチンカーの中で俯きながら座る店の主人翔太の存在に気がつき彼女、OLのお姉さまは彼の容姿を注意深く見詰める。観察をする。すればね。


(あら、お店のお兄さん、私好みの良い男。イケメン顔だわ)と思うのだよ。


 となれば?


 若いOLのお姉さまも御年頃……。自分の年齢が余り変わらない翔太へと。いくらお稲荷さまが側にいようがお構い無しにだ。


「店のお兄さんは、どれがお勧めかな? うふっ」と。


 微笑みかけながら問う。問いかけ始めるから。


 翔太は自身の心の中で(ヒィ~!)と、自身の毛を逆立てながら顔色を変えてしまうから。


(不味い。不味いぞ。家の亭主の若い女子おなご達への不愛想、素行が悪いと露見されて、変な噂がこれでたつやも知れぬ?)と。


 お稲荷さまは咄嗟に思えば。


「若くて綺麗な娘さんすまないの。家の亭主は若くて美人を見れば直ぐに照れしまう上がり症での。お姉さんが余りに綺麗過ぎるから真面に見る事もできないし。話し、会話もできない小心者なのだよ。本当にすまぬなぁ」と。


 お稲荷さまが健太の容姿を見て魅入り気に入った若いOLのお姉さんへとすまぬと角が立たないように謝罪をすれば。


「えぇ~、そうなんだ勿体無いなぁ~。私お兄さんがイケメンだから少しお話しがしてみたかったのに」と。


 彼女は淡く甘え声色でお稲荷さまへと残念だと告げると。



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