僕とお狐巫女様との現代、異世界でのソフトワッフル販売で御座います!
かず斉入道
第1話 序章は過去の記憶(1)
「只今帰りました」
「お帰り」
「お疲れさま」
「あれ? 今日は相沢君外回りの営業の方が早く終わったんだね?」
「はい。課長。今日は商談の方がいつもの予定時間よりも早く終わり。取引先の店舗さん周りの方が早く済み会社へと帰ってきました」
「ふぅ~ん、そうか。じゃ相沢君御苦労様。今日はもう会社の方は上がっても良いよ。じゃ、お疲れ様。また明日も頑張ってね」
「はい。課長。ありがとうございます。明日も頑張りますね」と。
僕は自身の勤める加工食品会社の業務も終わり。上司の課長から帰宅の途についても良いと告げられた。あの日はね。
だから僕は自身の手荷物……。
そう、僕が勤める会社の商品サンプルが入った手提げの紙袋を置く為に業務一課にある僕の机へと足早に向かい始める。
でっ、向かう最中に僕はね、ついついと余所見……。
そう、僕達業務一課の隣にある業務二課の方へと視線を向け──”ある席”を見詰め。
(あれ、沙也加はもう帰宅をしたんだ)と脳裏で呟き。
(この時間に会社にいないと言う事は沙也加は直帰をしたのかな?)とも思えばね
(この時間に二課の係長をしている沙也加が直帰をしたと言う事は、アイツもしかして身体の調子を崩したのかな?)と。
この時の僕は自身の年上の彼女……。
そう、社内では一応は禁止になっている社内恋愛という奴を年上の彼女沙也加としていた僕達なのだが。それでも僕と沙也加の二人はね、お互いの両親へも挨拶を済ませ婚約をしている状態だから。
まあ、会社の方にはばれても別に構わない状態ではあったのだが、沙也加の方が会社の上司達にばれると一課に配属になったばかりの僕の出世の方が危うくなると将来的に不安になるから。
結婚の日時がちゃんと決まり上司達へとちゃんと報告と結婚式の案内状を送れる状態になるまで内緒にしておこうと。
僕の年上の美しい彼女沙也加が告げてきたから。
僕はその時に『うん』と頷いたからちゃんとした報告ができるまではお互いが素知らぬ振り……。
会社内の課は違うが上司と部下と言った関係でいましょうと沙也加に言われたからその通りにしていた。
美しい年上彼女の尻に敷かれた情けない年下の彼氏だった。あの時の僕はね。
でも僕は、それでも本当に幸せだったよ。
あの時、この時の僕を見てくれればわかる通りだよ。
今の僕のように何に対してもやる気を感じられない。覇気のない顔、容姿ではなく。
その逆でね、夢や希望に満ち溢れ、覇気のある顔、容姿でいるだろう。
だからその日も僕は張り切って仕事をしたよ。次期に僕の妻になる予定だった沙也加の為に早く出世をしたくて堪らなかったし。
アイツ、沙也加の奴に、僕がいくら年下であろうとも今のような”できない男”ではなく。”できる男”を演じたい僕だからいつも前向きに仕事をしたよ。僕の婚約者である沙也加自身も優しく背を押してくれたからね。
でも、まあ、今の僕はこの通りの情けない男だから。”あの時”は凄かったと皆に説明をしてもピンとこないかも知れないがもう少し僕の嘆きや愚痴を聞いてもらえると本当に助かるよ。
と、言うか?
聞いてください。お願いしします。
でっ、ないと僕の心の病の方は【パニック障害】だけに収まらず、他の病も併発しそうなのでよろしくお願いします。
◇◇◇
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