何の取り柄のない俺が裏を暴いてやる

龍川嵐

第1話 俺はまだ死んでいない?

俺はどこにもいるよう普通な人。

勉強は苦手。5科目どれにも赤点を取り、全校の中で下から数えた方が早い。容姿は、髪型は散髪屋に連れてもらえなく風呂にも入らせてもらえなかったのでボサボサになっている、身長は平均より低めに150cm、体重は40kgしかない、助骨がくっきりと見えるくらい脂肪が足りていない、明るい色の服より闇のように真っ黒の服の方が合っている。その男を周りの人が幽霊やお化けでも見てサーっと青くなるような表情を作り、引いた目でジロジロと見る。誰かが言ったのか覚えていないが、ある人が俺に対して「死神だ!近寄ると呪いをされる!」と喉が震えながら指差して声を出した。俺は自分の容姿はよく知っているので、堪忍を切れていない。つまらないことで大騒ぎを起こすと、大人が駆け走ってきて、被害車を味方にして、なぜ大騒ぎを起こしたのかと説明を促される。いちいち説明するのがめんどくさいし、時間も勿体無いので、周りに怖がれたり、揶揄われたりしても付き合わないで、無視するようにして過ごす。

俺は嫌われてもいい。生まれた時からずっと愛してくれない。俺を産んでくれた両親は愛情を持って世話をしてくれていなかった。俺を犬や猫のように扱われ、二人だけ稼いだ金を使って好きなように遊んだ。まだ自分でトイレに行ったり食事したりすることができない立った時の俺は一人だけほっとけられ、留守番するように任された。一つも学んだことがないのに急に一人だけしてくれと言われても困る。一人だけではできないので、両親が帰ってくるまで空腹を耐えたり、排泄物を漏らしても我慢したりして過ごした。我慢すれば良いけれど、両親は猛烈な匂いがすると堪忍が切れて手を上げて暴力を振るった。なんでトイレに行けないの?!と罵言を浴びせながらお腹を蹴ったり、頬を殴ったりした。なんで一人だけトイレに行けないの?!と言われても俺はまだ歩いて行けないし、トイレで排泄するように教えを聞いていないのでわかりませんと言いたいが。あの時はまだ言葉を流暢に話せなかった。何もできない俺はただ耐えるしかできなかった。ああ、神様、どうして俺を生まれた両親を選びましたか。他の子と同じように幸せな生活を送っては行けないですか?と近所の人や両親が寝ている時間に窓を開けて、空に向けて静かに心で唱えた。日が上がるまでずっと神様に対して何度も繰り返して唱えたが、神様からの返事は来なかった。神様は弱い人を助ける人だと思ったが、実際には俺を助けてくれなかった。神様がいるのは嘘だったか、大きな失望を得て、もう生きる意味がない。俺が死んでもみんなは悲しまない、心配しない。俺が世の中からいなくなっても何の影響はなくいつものように会社や学校に行き、勉強したり働いたりして普通に過ごす。たった一つの命を失っても、社会に脅威を与えないならば、生きる意味がなく、死んだの方が不幸を続けることなく一瞬で終わり、幸せになれるだろう。開けた窓を乗り出し、転落しないように左右を捕まって、下を見ると一本の電柱だけ照らして、それ以外は一人もいなかった。足がガタガタと震えて、足がまるで鉛のように重くて動けない。足を動かしてはダメだ!と身体の中が本能的に叫び出したと思う。足が動けなくても構わない、上半身が動かせるなら何の問題ない。地平線に数ミリの太陽が出てきて、真っ赤な光が漏れている瞬間にゆっくり上半身が前屈みになって、窓から地面の方に向かって隕石でも落ちるように勢いよく速さで落ちて行く。死がわかると、走馬灯が見える。走馬灯といえばほとんどは成功の記憶や良い思い出などが出てくることが多いような印象がある。おそらく死の恐怖を和らぐために出てくる現象かもしれない。しかし、俺は生まれた時からずっと一つも幸せを感じたことがない。クソだらけな人生で胸がいっぱいになって、死の恐怖は全く感じない。走馬灯はいいからさっさと終わってほしい。気がついたら、目の前が地面の間近になっていた。ああ、これで苦しみから解放できる。さらば俺の人生さ。瞼を閉じた。

瞳を開けると、見覚えのない天井が現れた。ここは…天国?地獄?今の俺はどこにいるのかわからなかった。右耳に音が入ってきた。「今朝4時半ごろ、少年がアパートから飛び降りました。原因はおそらく自殺だと思います。なぜ自殺行為に繋がったのか現在、家内捜索をおこなっております」と誰かのナレーターの声が聞こえた。4時半?僕が飛び降りた時間にほぼ同じ?今の俺は一体どうなってるの?俺の身体を見てみると、俺は中学生だったのに小学生っぽいな体になっている。

「おい!早く起きなさい!」

俺の脇腹を蹴っ飛ばされた。ぐはっと胃の中から唾液を吐き出した。蹴られた部分に押さえて、反射的に「ごめんなさいごめんなさい」と謝った。俺の声を無視して、俺に暴力を振い続けた。今の俺は小学生なので、相手の大人に簡単に抵抗することができなかった。ただひたすらに頭を抱えて耐えるしかできなかった。

ふと思い浮かんだのは、俺って死んでない、生まれ変わったの?

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