28 卵の在処(前)
「
竜の羽ばたきで既に周りが風圧で大変なことになっているけど、あの
明らかに自分にとって格上であろう
「んなコト言ったって、
確かに、言われてみればバカなことを聞いたなと、自分でも思った。
……僕も、それだけ慌てていたのかも知れない。
「なんだ⁉」
「どうした!」
外の騒ぎに敏感に反応した館の護衛たちが、わらわらと飛び出してくるところを、とりあえずは慌てて止める。
「わぁぁっ! あのっ、アレ、僕の知り合い……と言うか、飛行練習用の
「「「はあぁぁっっ⁉」」」
あ、うん、叔父さんの
多少の好き嫌いはあれど、一度背に乗せたからと言ってそこまでは相手に対して執着はしないと。
そこそこ淡泊だからこそ、竜を乗りこなす訓練や、配達の足として使われている――そんな竜種であり、卵が見つかろうが見つかるまいが、戻るなら一直線に「竜の牧場」だろうと、僕は心の中で思っていたし、多分この辺境伯邸に残る面々もそう思っていたはずなのだ。
それでも確実にあの
それは僕でなくたって、驚くだろう。
ともかく、僕の言葉に半信半疑ながら、ナノジェムさんを筆頭に他の人たちが
すいません、すいません、と心の中で何度も謝りながら、僕はとりあえず
.゜*。:゜ .゜*。:゜ .゜*。:゜ .゜*。:゜.゜*。:゜ .゜*。:゜
「ハルトっ‼」
他の竜たちの威嚇が止んで、ゆっくりと
「やけに竜が騒がしかったようだが、大丈夫か⁉」
「あ……うん、大丈夫」
何故かは分からないが
それしか言いようのなかった僕に、叔父さんはハッキリと眉根を寄せていた。
「と言うことは、牧場の竜か」
「そう」
僕に竜の個体区別がつくわけじゃないんだけど、この
「なんでまた……うん?」
僕の返事に叔父さんは、恐らくは無意識に
そしてふと、何かが琴線に引っかかったらしく、片手をこめかみの辺りにあてて、遠くを眺める仕種を見せた。
「あいつ、前足の鈎爪に何か持ってるな」
「え?」
「もしかして、あれを運んで来たんじゃないか?」
「……僕に?」
「現時点であの竜が匂いなり姿形なりを覚えているとしたら、ハルト一人だと思うぞ?」
「いったい何を……」
「まあ火竜騎獣軍と一緒に出て行ったくらいだから、ギルフォードあたりから何か運べと言われた可能性もある」
そっちの方がよっぽど納得がいくと思ったものの、叔父さんはトン……っと、僕の背中を押してきた。
「とにかく、あの
「…………」
僕が? と、思わず
最初から叔父さんや
僕はごくりと唾を呑み込んで、
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