第2話 顔合わせ欠席
ー午後3時、面会室ー
栄「え?本当に俺らでグループ組むんですか!そもそも顔見知りですらないんですけど!」
社長「だから、メールでそう伝えたじゃないかぁ、君たち8人でグループを組んでこれから活動していってほしい」
栄「8人って...今ここに6人しかいませんよ?」
部屋には、池本栄・山田稜・安倍健吾・菊池梨央・奥田美緒・村田智恵の6人がいる。
社長「あと1人は遅れてくるって。でも...もう一人は何も連絡が無かったけど...まぁ、大丈夫だよ!ミーティングには来る!」
智恵「とにかく、私は嫌です。一人でも十分稼げてます。今からグループになる必要なんてないと思いますよ?」
健吾「俺もそう思います、それに、一人ひとり目指してるところが違うじゃないですか。俺は自分のやりたいことをやりたいです」
社長「いや、別にこの提案は拒否してくれても構わないんだよ?だけどね、拒否したらこの会社との契約を切らせてもらうからね?それでもいいなら拒否していいんだよ?」
美緒「それ、強引すぎませんか?いくら社長っていっても権力乱用していいわけじゃないんですよ」
梨央「そうですよ!」
社長「そんなこと言われてもなぁ、呼ばれた8人の中でほとんどの人が伸び悩んでる!」
稜「伸び悩んでるって。事実ですけど流石にひどすぎません?」
社長「あぁ、確かにそうだな。申し訳ない」
健吾「本当に思ってますか?」
美緒「そうですよ!軽すぎます!しっかり謝ってください!」
社長「本当に悪かったと思ってる」
智恵「侮辱だけして、社長は何を言いたいんですか?どうせ、無理難題を押し付けて会社を辞めさせようとしたいだけですよね?」
社長「違うよ!提案があるんだ!」
健吾「なんですか?」
社長「7月中にMVを作って欲しいんだよ。音楽、映像まで全部含めてね!」
栄「は!?今日何日かわかってます!?」
社長「今日は...7月1日だろう?」
栄「そういうことじゃないです!会ったばかりの俺らで!1ヶ月でMV作るなんて無理ですよ!」
健吾「俺も流石に無理あると思います」
梨央「1ヶ月って…時間が短すぎます。やるからには全力で完成度の高いものを作りたいです」
美緒「私も。配信者としてのプライドが許さないわ」
社長「あーはいはいわかったからー、とりあえずやってみて?」
智恵「なんですかこのテキトーな感じ。私達はあなたの下僕ではないんですよ!それに、やっぱり無理難題じゃないですか!私はこの提案を拒否します!会社を辞めたって構いません!社長の下僕になるくらいなら、フリーになって自分のやりたいことをやります!辞める手続きなどは、また今後!」
智恵、面会室を出ていく。
社長「あぁ...残念だな...辞めてしまったか...」
***
グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
純介「なっ...何が...もしかして...」
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