世界の始まり
白浜五平
第一話 気絶
二〇二二年の冬のその日。礼拝の時間がいちばん好きだと感じている都賀(つが)が、チャペルにいた。
女神である私は都賀の行動を見ていた。チャペルにはストーブがあったが、冬の寒さに勝てないらしくストーブの火は小さかった。
前奏で心を静め、星書朗読が終わった。多くの生徒はこの辺で眠ってしまいがちだが、都賀は今週も目をぱっちり開けて、まじめに礼拝に取り組んでいた。
説教が始まり、都賀が姿勢を正したそのとき、何かがはじける音がした。都賀は意識が朦朧として、頭がゆらゆら動き始めた。しかし、周りの生徒たちや先生は、眠気で頭が揺れているのだと思い気にしなかった。そのあいだに都賀はどことなく流れてくるささやき声のようなものを聞き、気を失った。
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