第12話 恋人ごっこ
体育祭の1週間前、今日は放課後まで残って練習してたから、いつもより帰りが遅くなった。帰りに近くのコンビニによって、心優と半分こにしたアイスを食べながら帰った。少し肌寒かったけど、
「りあ、最近隼人とどうなの?」
「全然仲いいと思う。進展?は特にないけど。」
うそ、うまくいってるはずがない。
「よかった!私はあんまりイチャイチャしてるより、りあ達みたいなほうが好きだ よ?頑張りなね。時々は惚気てもいいんだよ~!」
「うん。ありがとっ!」
心優は純粋に私たちのこと応援してくれてる。
心優。私が本当は最初からほかに好きなった人がいるんだって言ったらどうなんだろう?やっぱり嫌われちゃうよね。
『明日放課後空いてる練習付き合ってほしい!』
家に帰ってすぐ隼人に連絡した。
ーピコン
いつものようにすぐに返信がきた。
『うん。いいよ』
『明日一緒に帰らない?』
初めて誘われたかも。付き合ったばっかのころ私が一緒に帰りたいって言ったの覚えてくれてたのかな。
嬉しいはずなのに、いつか見た中傷ばっかりの書き込みが頭の中に浮かんできた。
ー『隼人くんと花菜ちゃん一緒に帰ってるのみたよ。』ー
そのせいかな。せっかく隼人からの誘いだったのに、素直に喜べなかった。
嘘だと信じてたいはずなのに、ふと浮かんでしまった書き込みが気になってイライラが募った。
『明日、心優と帰るから無理そう。ごめんね。』
そう送ると、その後返信は来なかった。
せっかく初めて一緒に帰れるチャンスだったのに、断っちゃった。
隼人は一緒に帰ろって言ってほしかったんだよね。
私が喜んでくれると思ってたんだよね。
…私、もう好きなフリすらできてないじゃん。
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