第10話 心の距離

10月。

隼人と付き合って3カ月が過ぎようとしていた。

『りあ、大丈夫?』

私の SNS をみて心配した咲笑から電話がきた。無意識に涙が流れた。

私苦しかったんだ。疲れてたんだ。

学校でも、噂話が絶えず、荒れ続ける SNS、開けば必ず書かれてる中傷。

『見なければいいじゃん』

そう思われるかもしれない。それはそうだけど、自分の名前がこんなに出てきてたら気になってしまうのは当然のこと。

あまりにも耐えないからこの時にはもう、悪口も噂も”日課”になっていた。

『全然大丈夫だよ。ありがと。』

『りあの大丈夫って全然大丈夫じゃないでしょ?』

さすが咲笑。私のことよくわかってる。

『うん。ありがと。長くなるけどいい?』

『いいよいいよ、いくらでも話して!ほんとごめんね、気づくの遅くて。』

それは違うよ。私はまた咲笑に救ってもらった。

ほんとにありがとう。

『それでさ…』

ため込んでたことこれまでのことすべて話した。

でも、咲笑にも隼人と花菜ちゃん達のことは言えなかった。

言ったらきっと、

「別れないの?そんな人やめなよ。」

って言われるだろうから。

私が咲笑の立場でもそう言うと思う。

私、こんなの嫌いだったはずなのに…

でも、自分のことも隼人のことも悪く言われるのが怖かった。

私の恋を否定されるのが嫌だった。

どれだけ傷ついてもいい。

もう少しでいいから、このままでいさせて?

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