第8話 望んでた言葉
それから二週間後。夏も終わりを迎えた九月の始め。
やっと休校が終わって、学校が始まった。
7時半から授業って私の学校鬼すぎ。
「おはよー!」
いつもの様に心優がドアまで走ってきて迎えてくれた。
「心優―。久しぶり。朝から早いね、眠いよ。」
寝起きの低トーンで心優に抱きついた。
「ねぇー起きて起きて!もう夏休み終わりだよ。」
「うんー。」
「今日、りあの好きな水泳の授業あるよー」
「あ、そっだった!頑張る!」
体育は苦手だけど、中学の時水泳部にだったから水泳だけはたのしい。
水泳の授業の後、いつもは高く結んでいる髪をおろして教室に戻った。
その日の放課後、携帯が光っていた。
メッセージ一件。隼人からだ。
「今日髪いつもと違ってた。可愛かった。」
こんなことでメールくれるなんて思わなかった。見てくれてたんだ。
―『髪長い子が好き』―
隼人は、ロングのストレートが好きらしい。
だから、ボブだった髪をこの二カ月延ばしてやっと肩につくぐらいになった。
隼人、ロングになったらさ、
もっと私のこと見てくれる?
「小顔効果かな!」
それでも隼人がこんなこと言ってくれると思わなかったから単純に嬉しかった。
改めて言われると、ちょっと恥ずかしい。
今は言えなかったけど、いつかは素直に「ありがとう」って言えるようになりたい。
気持ちを伝えることはとても大事なことだから。
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